アゴラ・ポクリット【#3】東京五輪の開催中止を求めます

  • 2021-5-7
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このコーナーは不定期更新の自由な「提言」のコーナーです。
セクト・ポクリットの「アゴラ=ひろば」です。
俳句に関することでも、そうでないことでもOK。
ご寄稿いただける方は、こちらよりお問い合わせください。
(原稿の採否は管理人にご一任ください)


アゴラ・ポクリット
【#3】
「俳句のために」東京五輪の開催中止を求めます

堀切克洋


「東京五輪の開催中止を求めます」の署名がかなりの話題になっています。

ここ数日はこの署名がどれだけ数を伸ばすかが話題になるでしょう。連休最終日5月5日にはじまった署名は、1日半ほどで20万筆に迫ろうとしていますが、例の森喜朗の「女性は話が長い」発言への抗議は、15万筆でした。

かくいう、わたしも署名しました。すでに署名をしたという方もいるかもしれませんね。

一方で、署名して何になるのかと思っている人もいるでしょうし、署名は頑としてしない(開催すべきだと考えている)人もいると思います。

「署名して何になるのか」という人にたいしては、「意思表示をすること」ができることと、「組織を動かすこと」ができるかもしれないということを、挙げておきます。こうした国家的なイベントに「自分の考えを伝える」のは、ひとりではなかなかできないことですが、みんなでやれば話は変わってきます。もちろんお金もかかりません。パソコンの操作に慣れていれば、1分もかかりません。

「開催すべきだと考えている」という人の考えは、尊重します。「みんな」がしているからと、意見をまげる必要はないと思います。いろいろな意見をきいて、自分で判断すればいいことです。

わたしは「開催すべきではない」と考えているので、その話を少しだけします。

ちょうど署名開始と前後して、選手団へのワクチン提供がニュースとなりました。「IOC、選手団にワクチン提供へ ファイザー製、今月末にも開始」(5月6日)というのが、それです。もちろん接種は義務化はしていませんが、「ワクチン接種は前提としない」とされていた3月の談話から駒がひとつ進んだかたちです。ワクチンが打てるなら安心じゃないか、と思う方もいるかもしれません。日本選手団1500名ほどだけではなく、全世界の選手が対象です。

もちろん、これは対策として間違った方針ではありません。しかし、ここにはボランティアは含まれていませんし、報道関係者も含まれていません。無観客開催がすでに決定しているものの、スポーツバーなどが客を集めるためにライブビューイングを全国各地で開催するでしょう(人数制限をすれば、こんどは「闇」で行われることは目に見えています)。そのとき「密」になるお客さんは全員が接種をしているとは限りません。というか、現状を見るかぎり難しいでしょう。選手団でさえも「ぎりぎり」なわけですから。

それにオリンピックがはじまっていない現在でも、ウイルスは海外から持ち込まれつづけています。一方で国内では、自粛頼みの中途半端な施策によって、感染は効果的に抑えることができていません。都市部の医療現場がかなり疲弊していることも報道されています。連休中には東京・立川市の病院が「医療は限界 五輪やめて! もうカンベン オリンピックむり!」という貼り紙を掲げたことが、話題になりました。

もうひとつは検査体制の問題があります。ご存知のように、日本だけはクラスター対策にこだわり、「検査拡充・早期発見」を進めることをしてきませんでした。いまだにそうです。「無症状の人がウイルスを広める」ということが肝であるというのに、いまだに初期の方針を転換できずにいるのです。そうした状況が、オリンピックのために転換できる保証はありません。おそらくされないでしょう。そうなるとやはり感染は拡大しつづけ、一部の人たちが「祭」を楽しんでいるかげで、医療現場の人たちや感染者が苦しむことになります。

そんな状況のなかで、競技に参加することになるアスリートはどんな心境になるでしょうか。自分がオリンピックに参加することによって、人の命を奪っているかもしれない、と考える良心的な選手はかなりいるはずです。観客もいない異様な雰囲気のなかで強行されたオリンピックは、「これまでに準備してきた選手の気持ちを考えろ」という話では済むものではありません。渡航辞退をする選手も出てくることでしょう。感染状況を考えれば、インドやブラジルは不参加となるでしょう。

いまなお、数多くの人が苦しんでいるのに「祭典」をするのは、はっきりいって馬鹿げています。というのが、一般論で、ここからが俳句の話になります。

もし「一大感染イベント」がこのまま強行されれば、通常の状態に戻る時期がさらに遅れることは明白です。すでに都市部では通常の句会ができなくなっている、句会のあとに打ち上げができずにいるという人は多いと思いますが、日常が戻ってくるのがさらに遅れます。「密」になる講演会や俳句大会のようなイベントも慎重にならざるをえず、余計なストレスがかかります。罪悪感なく旅行できる日もまた先延ばしになるはずです。

この1年、オンライン利用の加速によって、俳句でもあたらしい交流がつぎつぎと生まれました。このサイト「セクト・ポクリット」もまた、コロナ禍がなければ生まれなかったという意味では、その産物のひとつだといえます。これからも手軽な自室からの句会やイベント参加はつづくでしょう。

しかし、俳句にかかわる人全員がそのような環境を享受できているわけではありませんし、この1年で加速したようなのと同等の変化が、つぎの1年で起こるとは考えられません。そういう意味では「俳人」のはしくれとして声をあげることも重要かと思い、いま、このメッセージを書いています。

さまざまな方にご寄稿いただいているウェブサイトでこのようなメッセージを発することはどうかとも思いましたが、管理人としては、この場所から反対意見を追い出すつもりもありませんし、何かを強制することもありません。

この「アゴラ・ポクリット」のコーナーは自由な意見や提言をしていただくために用意していますので、むしろ逆の意見があれば、ぜひお寄せいただいて構いません。いつでも、どなたでもウェルカムです。

最初にお伝えした署名は、以下のバナーをクリックしていただければ、ジャンプすることができます。これは、関心のある人に向けたものです。関心がなければスルーしてください。

一刻も早く、どこに住んでいても通常の句会や吟行ができる日を願ってやみません。

(管理人)


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