ハイクノミカタ吉田林檎
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おほぞらを剝ぎ落したる夕立かな 櫛部天思【季語=夕立(夏)】
おほぞらを剝ぎ落したる夕立かな櫛部天思 会社の同僚や古くからの友人と最近夕立がないという話を立て続けにした。最高気温30℃の真夏日でも暑くてたまらないと嘆いていた頃、一般家庭に冷房は普及していなかっ…
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水面に閉ぢ込められてゐる金魚 茅根知子【季語=金魚(夏)】
水面に閉ぢ込められてゐる金魚茅根知子 盛岡へ旅をした時、2…
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腕まくりして女房のかき氷 柳家小三治【季語=かき氷(夏)】
腕まくりして女房のかき氷柳家小三治 フランス語を勉強し始め…
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観音か聖母か岬の南風に立ち 橋本榮治【季語=南風(夏)】
観音か聖母か岬の南風に立ち橋本榮治 映画『怪物』を鑑賞。好…
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ふところに四万六千日の風 深見けん二【季語=四万六千日(夏)】
ふところに四万六千日の風深見けん二 初めて四万六千日詣をし…
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祭笛吹くとき男佳かりける 橋本多佳子【季語=祭笛(夏)】
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昼顔もパンタグラフも閉ぢにけり 伊藤麻美【季語=昼顔(夏)】
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水中に風を起せる泉かな 小林貴子【季語=泉(夏)】
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雷をおそれぬ者はおろかなり 良寛【季語=雷(夏)】
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子燕のこぼれむばかりこぼれざる 小澤實【季語=子燕(夏)】
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紫陽花剪るなほ美しきものあらば剪る 津田清子【季語=紫陽花(夏)】
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青葉冷え出土の壺が山雨呼ぶ 河野南畦【季語=青葉冷(夏)】