ハイクノミカタ安里琉太
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仲秋の金蠅にしてパッと散る 波多野爽波【季語=仲秋(秋)】
仲秋の金蠅にしてパッと散る波多野爽波「パッ」のオノマトペが視覚的にも読者を得心させる。それがこの句の眼目であると思う。「ぱつ」ではなく片仮名で「パッ」と表記されている点、それに関連して「金蠅」の「金…
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つきの光に花梨が青く垂れてゐる。ずるいなあ先に時が満ちてて 岡井隆
つきの光に花梨が青く垂れてゐる。ずるいなあ 先に時が満ちてて岡井隆…
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ひるすぎの小屋を壊せばみなすすき 安井浩司【季語=すすき(秋)】
ひるすぎの小屋を壊せばみなすすき安井浩司小屋はバラックのよ…
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ある年の子規忌の雨に虚子が立つ 岸本尚毅【季語=子規忌(秋)】
ある年の子規忌の雨に虚子が立つ岸本尚毅虚子の心中を慮る句で…
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ときじくのいかづち鳴つて冷やかに 岸本尚毅【季語=冷やか(秋)】
ときじくのいかづち鳴つて冷やかに岸本尚毅「ときじく」は、「…
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季すぎし西瓜を音もなく食へり 能村登四郎【季語=西瓜(秋)】
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みづうみに鰲を釣るゆめ秋昼寝 森澄雄【季語=鯊・秋昼寝(秋)】
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八月は常なる月ぞ耐へしのべ 八田木枯【季語=八月(秋)】
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まはし見る岐阜提灯の山と川 岸本尚毅【季語=岐阜提灯(夏)】
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八月の灼ける巌を見上ぐれば絶倫といふ明るき寂寥 前登志夫【季語=夏山(夏)】
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夏山に勅封の大扉あり 宇佐美魚目【季語=夏山(夏)】
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からたちの花のほそみち金魚売 後藤夜半【季語=金魚売(夏)】