ハイクノミカタ安里琉太
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切腹をしたことがない腹を撫で 土橋螢
切腹をしたことがない腹を撫で土橋螢ぽつねんと腹を撫でている姿を想像すると、なんだかかわいくも思えるし、少しだけ哀愁を帯びているようにも思える。戦後しばらく経って、切腹という死に方を選んだ人は…
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蟲鳥のくるしき春を不爲 高橋睦郎【季語=春(春)】
蟲鳥のくるしき春を不爲高橋睦郎「不爲」には「なにもせず」の…
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春山もこめて温泉の国造り 高濱虚子【季語=春山(春)】
春山もこめて温泉の国造り高濱虚子「温泉」は「いでゆ」と読む…
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毛皮はぐ日中桜満開に 佐藤鬼房【季語=桜(春)】
毛皮はぐ日中桜満開に佐藤鬼房日中に桜が満開になったという出…
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あえかなる薔薇撰りをれば春の雷 石田波郷【季語=春の雷(春)】
あえかなる薔薇撰りをれば春の雷 石田波郷「春の雷」は、啓蟄…
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鉛筆一本田川に流れ春休み 森澄雄【季語=春休み(春)】
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ハナニアラシノタトヘモアルゾ 「サヨナラ」ダケガ人生ダ 井伏鱒二
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厨房に貝があるくよ雛祭 秋元不死男【季語=雛祭(春)】
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橘や蒼きうるふの二月尽 三橋敏雄【季語=二月尽(春)】
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詩に瘦せて二月渚をゆくはわたし 三橋鷹女【季語=二月(春)】
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やがてわが真中を通る雪解川 正木ゆう子【季語=雪解川(春)】
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春を待つこころに鳥がゐて動く 八田木枯【季語=春を待つ(冬)】