ハイクノミカタ橋本直
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スタールビー海溝を曳く琴騒の 八木三日女
スタールビー海溝を曳く琴騒の八木三日女(「Unicorn」創刊号 昭和43年)「Unicorn」を短く紹介すると、高柳重信や金子兜太、あるいは飯田龍太ら、高度成長期の俳壇をリードする戦後俳句の俳人達…
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鯛の眼の高慢主婦を黙らせる 殿村菟絲子
鯛の眼の高慢主婦を黙らせる殿村菟絲子(『路傍』昭和35年)…
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あたゝかな雨が降るなり枯葎 正岡子規【季語=あたたか(春)?】
あたゝかな雨が降るなり枯葎正岡子規(高浜虚子選『子規句集』岩波文庫)…
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目つぶりて春を耳嚙む処女同志 高篤三【季語=春(春)】
目つぶりて春を耳嚙む処女同志高篤三(川名大『現代俳句 上』)…
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名ばかりの垣雲雀野を隔てたり 橋閒石【季語=雲雀野(春)】
名ばかりの垣雲雀野を隔てたり橋閒石(『橋閒石全句集』)第一…
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春宵や光り輝く菓子の塔 川端茅舎【季語=春宵(春)】
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特定のできぬ遺体や春の泥 高橋咲【季語=春の泥(春)】
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炎ゆる 琥珀の/神の/掌の 襞/ひらけば/開く/歴史の 喪章 湊喬彦
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杜甫にして余寒の詩句ありなつかしき 森澄雄【季語=余寒(春)】
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野の落暉八方へ裂け 戰爭か 楠本憲吉
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寒天煮るとろとろ細火鼠の眼 橋本多佳子【季語=寒天(冬)】
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ばばばかと書かれし壁の干菜かな 高濱虚子【季語=干菜(冬)】