ハイクノミカタ篠崎央子
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服脱ぎてサンタクロースになるところ 堀切克洋【季語=サンタクロース(冬)】
服脱ぎてサンタクロースになるところ堀切克洋(『尺蠖の道』) サンタクロースが存在しないことを知ったのは、8歳の時。父の職場の同僚がクリスチャンで教会のクリスマスパーティーに呼ばれた。聖夜劇も讃美歌も…
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山茶花のくれなゐひとに訪はれずに 橋本多佳子【季語=山茶花(冬)】
山茶花のくれなゐひとに訪はれずに橋本多佳子(『信濃』) 小…
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恋の句の一つとてなき葛湯かな 岩田由美【季語=葛湯(冬)】
恋の句の一つとてなき葛湯かな岩田由美(『春望』) 子供の頃…
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待ち人の来ず赤い羽根吹かれをり 涼野海音【季語=赤い羽根(秋)】
待ち人の来ず赤い羽根吹かれをり涼野海音(『一番線』) 赤い…
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男色や鏡の中は鱶の海 男波弘志【季語=鱶(冬)】
男色や鏡の中は鱶(ふか)の海男波弘志(『阿字』) 男色とは…
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愛かなしつめたき目玉舐めたれば 榮猿丸【季語=冷たし(冬)】
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「ぺットでいいの」林檎が好きで泣き虫で 楠本憲吉【季語=林檎(秋)】
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しんじつを籠めてくれなゐ真弓の実 後藤比奈夫【季語=真弓の実(秋)】
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背のファスナ一気に割るやちちろ鳴く 村山砂田男【季語=ちちろ鳴く(秋)】
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木犀や同棲二年目の畳 髙柳克弘【季語=木犀(秋)】
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手に負へぬ萩の乱れとなりしかな 安住敦【季語=萩(秋)】
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九十の恋かや白き曼珠沙華 文挾夫佐恵【季語=曼珠沙華(秋)】