ハイクノミカタ
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けさ秋の一帆生みぬ中の海 原石鼎【季語=今朝秋(秋)】
けさ秋の一帆生みぬ中の海原石鼎「お盆は海に入ったらだめだよ。霊にひっぱられるからね」という迷信を聞いたことのある人は少なくないだろう。わたしも幼いころ耳にしたことがあり、そのときは「大事な伝統行事の…
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あづきあらひやひとり酌む酒が好き 西野文代【季語=小豆洗(秋)】
あづきあらひやひとり酌む酒が好き西野文代子泣き爺、砂掻け婆…
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手花火を左に移しさしまねく 成瀬正俊【季語=花火(夏/秋)】
手花火を左に移しさしまねく成瀬正俊(なるせ・まさとしまさとし))…
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日まはりは鬼の顔して並びゐる 星野麦人【季語=向日葵(夏)】
日まはりは鬼の顔して並びゐる星野麦人(「俳句年鑑」1944年日本文学報国会…
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前をゆく私が野分へとむかふ 鴇田智哉【季語=野分(秋)】
前をゆく私が野分へとむかふ()鴇田智哉〈野分〉とは、野の草…
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鳥けもの草木を言へり敗戦日 藤谷和子【季語=敗戦日(秋)】
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求婚の返事来る日をヨット馳す 池田幸利【季語=ヨット(夏)】
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夫婦は赤子があつてぼんやりと暮らす瓜を作つた 中塚一碧楼
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置替へて大朝顔の濃紫 川島奇北【季語=朝顔(秋)】
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わが畑もおそろかならず麦は穂に 篠田悌二郎【季語=麦の穂(夏)】
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品川はみな鳥のような人たち 小野裕三
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きりぎりす飼ふは死を飼ふ業ならむ 齋藤玄【季語=螽蟖(秋)】