ハイクノミカタ
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枯芦の沈む沈むと喚びをり 柿本多映【季語=枯芦(冬)】
枯芦の沈む沈むと喚びをり柿本多映(『夢谷』2013年)不思議な句である。この「喚び」とは、己らが沈もうとする枯芦自身の悲鳴なのであろうか。それとも、そこに足を踏み入れようとする人間、あるいは他の生き…
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息ながきパイプオルガン底冷えす 津川絵理子【季語=底冷(秋)】
息ながきパイプオルガン底冷えす)津川絵理子「人間の声に一番…
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木枯やたけにかくれてしづまりぬ 芭蕉【季語=木枯(冬)】
木枯やたけにかくれてしづまりぬ)芭蕉世界的名句も共感覚俳句…
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こほろぎや女の髪の闇あたたか 竹岡一郎【季語=蟋蟀(秋)】
こほろぎや女の髪の闇あたたか竹岡一郎(『蜂の巣マシンガン』)…
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生きるの大好き冬のはじめが春に似て 池田澄子【季語=初冬(冬)】
生きるの大好き冬のはじめが春に似て池田澄子『恒信風』のイン…
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天窓に落葉を溜めて囲碁倶楽部 加倉井秋を【季語=落葉(秋)】
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くゝ〳〵とつぐ古伊部の新酒かな 皿井旭川【季語=新酒(秋)】
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みかんいろのみかんらしくうずもれている 岡田幸生【季語=蜜柑(冬)】
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秋灯机の上の幾山河 吉屋信子【季語=秋灯(秋)】
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海くれて鴨のこゑほのかに白し 芭蕉【季語=鴨(冬)】
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雀蛤となるべきちぎりもぎりかな 河東碧梧桐【季語=雀蛤となる(秋)】
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青年鹿を愛せり嵐の斜面にて 金子兜太【季語=鹿(秋)】