ハイクノミカタ

  1. 枯芦の沈む沈むと喚びをり 柿本多映【季語=枯芦(冬)】

    枯芦の沈む沈むと喚びをり柿本多映(『夢谷』2013年)不思議な句である。この「喚び」とは、己らが沈もうとする枯芦自身の悲鳴なのであろうか。それとも、そこに足を踏み入れようとする人間、あるいは他の生き…

  2. 息ながきパイプオルガン底冷えす 津川絵理子【季語=底冷(秋)】

    息ながきパイプオルガン底冷えす)津川絵理子「人間の声に一番…

  3. 木枯やたけにかくれてしづまりぬ 芭蕉【季語=木枯(冬)】

    木枯やたけにかくれてしづまりぬ)芭蕉世界的名句も共感覚俳句…

  4. こほろぎや女の髪の闇あたたか 竹岡一郎【季語=蟋蟀(秋)】

    こほろぎや女の髪の闇あたたか竹岡一郎(『蜂の巣マシンガン』)…

  5. 生きるの大好き冬のはじめが春に似て 池田澄子【季語=初冬(冬)】

    生きるの大好き冬のはじめが春に似て池田澄子『恒信風』のイン…

  6. 天窓に落葉を溜めて囲碁倶楽部 加倉井秋を【季語=落葉(秋)】

  7. くゝ〳〵とつぐ古伊部の新酒かな 皿井旭川【季語=新酒(秋)】

  8. みかんいろのみかんらしくうずもれている 岡田幸生【季語=蜜柑(冬)】

  9. 秋灯机の上の幾山河 吉屋信子【季語=秋灯(秋)】

  10. 海くれて鴨のこゑほのかに白し 芭蕉【季語=鴨(冬)】

  11. 雀蛤となるべきちぎりもぎりかな 河東碧梧桐【季語=雀蛤となる(秋)】

  12. 青年鹿を愛せり嵐の斜面にて 金子兜太【季語=鹿(秋)】

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  4. 来て見れば来てよかりしよ梅椿 星野立子【季語=梅・椿(春)】
  5. こぼれたるミルクをしんとぬぐふとき天上天下花野なるべし 水原紫苑
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