日蝕の鴉落ちこむ新樹かな　石田雨圃子【季語＝新樹（夏）】

• 2022.05.13

甘き花呑みて緋鯉となりしかな　坊城俊樹【季語＝緋鯉（夏）】

• 2022.05.11

湖の水かたふけて田植かな　高井几董【季語＝田植（夏）】

• 2022.04.28

花の幹に押しつけて居る喧嘩かな　田村木國【季語＝花（春）】

• 2022.03.25

蛤の吐いたやうなる港かな　正岡子規【季語＝蛤（春）】

• 2022.03.22

春や昔十五万石の城下哉　正岡子規【季語＝春（春）】

• 2022.03.15

薄氷の筥の中なる逢瀬かな　大木孝子【季語＝薄氷（春）】

• 2022.03.14

おそろしき一直線の彼方かな　畠山弘

• 2022.02.22

ばばばかと書かれし壁の干菜かな   高濱虚子【季語＝干菜（冬）】

• 2022.02.05

付喪神いま立ちかへる液雨かな　秦夕美【季語＝液雨（冬）】

• 2022.01.20

かなしきかな性病院の煙出　鈴木六林男

• 2022.01.16

絵杉戸を転び止まりの手鞠かな 山崎楽堂【季語＝手鞠（新年）】

• 2022.01.07

水底に届かぬ雪の白さかな　蜂谷一人【季語＝雪（冬）】

• 2022.01.05

突として西洋にゆく暖炉かな　片岡奈王【季語＝暖炉（冬）】

• 2021.12.17

茎石に煤をもれ来る霰かな　山本村家【季語＝茎石（冬）】

• 2021.12.10

「野崎海芋のたべる歳時記」エゾシカのロースト

• 2021.12.06

一年の颯と過ぎたる障子かな　下坂速穂【季語＝障子（冬）】

• 2021.12.04

秋櫻子の足あと【第11回】谷岡健彦

• 2021.11.26

葱白く洗ひたてたるさむさ哉　芭蕉【季語＝葱（冬）】

• 2021.11.16

くゝ〳〵とつぐ古伊部の新酒かな　皿井旭川【季語＝新酒（秋）】

• 2021.11.05

雀蛤となるべきちぎりもぎりかな　河東碧梧桐【季語＝雀蛤となる（秋）】

• 2021.11.01

野分吾が鼻孔を出でて遊ぶかな　永田耕衣【季語＝野分（秋）】

• 2021.10.27

鴨が来て池が愉快となりしかな　坊城俊樹【季語＝鴨来る（秋）】

• 2021.10.02

きちかうの開きて青き翅脈かな　遠藤由樹子【季語＝きちかう（秋）】

• 2021.09.29

ひら／＼と猫が乳吞む厄日かな　秋元不死男【季語＝厄日（秋）】

• 2021.08.31

目薬に涼しく秋を知る日かな　内藤鳴雪【季語＝秋（秋）】

• 2021.08.07

ビール買ふ紙幣をにぎりて人かぞへ　京極杞陽【季語＝ビール（夏）】

• 2021.07.16

じゆてーむと呟いてゐる鯰かな　仙田洋子【季語＝鯰（夏）】

• 2021.06.12

さまざまの事おもひ出す桜かな　松尾芭蕉【季語＝桜（春）】

• 2021.04.14

つちふるや自動音声あかるくて　神楽坂リンダ【季語＝霾（春）】

• 2021.03.16