けり
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雪といひ初雪といひ直しけり 藤崎久を【季語=初雪(冬)】
雪といひ初雪といひ直しけり藤崎久を心情の機微が端的にあらわされている句だ。誰かとともに外にいるのだろう。言い直すというところに聞き手の存在が思われる。はじめは降っていることに気が付いて、ただ…
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あたゝかき十一月もすみにけり 中村草田男【季語=十一月(冬)】
あたゝかき十一月もすみにけり中村草田男十二月では忙しなく心…
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秋の餅しろたへの肌ならべけり 室生犀星【季語=秋の餅(秋)】
秋の餅しろたへの肌ならべけり室生犀星(「室生犀星俳句集」岩波文庫)…
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後の月瑞穂の国の夜なりけり 村上鬼城【季語=後の月(秋)】
後の月瑞穂の国の夜なりけり)村上鬼城今年の後の月は10月8…
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一燈を消し名月に対しけり 林翔【季語=名月(秋)】
一燈を消し名月に対しけり)林翔 月は可能な限り毎日見ている…
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又の名のゆうれい草と遊びけり 後藤夜半【季語=ゆうれい草(夏)】
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くらき瀧茅の輪の奥に落ちにけり 田中裕明【季語=茅の輪(夏)】
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とらが雨など軽んじてぬれにけり 一茶【季語=虎が雨(夏)】
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麦藁を束ねる足をあてにけり 奈良鹿郎【季語=麦藁(夏)】
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蛇の衣傍にあり憩ひけり 高濱虚子【季語=蛇の衣(夏)】
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詠みし句のそれぞれ蝶と化しにけり 久保田万太郎【季語=蝶(春)】
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見てゐたる春のともしびゆらぎけり 池内たけし【季語=春灯(春)】