ない
-
恋の句の一つとてなき葛湯かな 岩田由美【季語=葛湯(冬)】
恋の句の一つとてなき葛湯かな岩田由美(『春望』) 子供の頃、手足が冷えて眠れない私に母が葛湯を吹いてくれた。葛湯とは、葛の根から採った澱粉を湯で溶いてとろみを出し、砂糖を加えて甘くした飲み物である。…
-
菊人形たましひのなき匂かな 渡辺水巴【季語=菊人形(秋)】
菊人形たましひのなき匂かな)渡辺水巴 尊敬する先輩に『続・…
-
海に出て綿菓子買えるところなし 大高翔
海に出て綿菓子買えるところなし大高翔(「鳩よ!」1997年8月号)…
-
季すぎし西瓜を音もなく食へり 能村登四郎【季語=西瓜(秋)】
季(とき)すぎし西瓜を音もなく食へり能村登四郎夏と言えば西…
-
雲の中瀧かゞやきて音もなし 山口青邨【季語=瀧(夏)】
雲の中瀧かゞやきて音もなし山口青邨家電量販店をぶらついてい…
-
春愁は人なき都会魚なき海 野見山朱鳥【季語=春愁(春)】
-
沈丁や夜でなければ逢へぬひと 五所平之助【季語=沈丁(春)】
-
春天の塔上翼なき人等 野見山朱鳥【季語=春天(春)】
-
特定のできぬ遺体や春の泥 高橋咲【季語=春の泥(春)】
-
廃墟春日首なきイエス胴なき使徒 野見山朱鳥【季語=春日(春)】
-
仕る手に笛もなし古雛 松本たかし【季語=古雛(春)】
-
嵐の埠頭蹴る油にもまみれ針なき時計 赤尾兜子