無季
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麦よ死は黄一色と思いこむ 宇多喜代子(無季)
麦よ死は黄一色と思いこむ宇多喜代子「麦よ」という措辞からは、ただ一本の麦というより、麦とそこから広がる麦秋の景を思った。麦を一本だけ見ているというのはそもそもあまり自然と思えなかったし、なにより「黄…
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体内の水傾けてガラス切る 須藤徹【無季】
体内の水傾けてガラス切る須藤徹(『須藤徹全句集』)前回、高…
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スタールビー海溝を曳く琴騒の 八木三日女
スタールビー海溝を曳く琴騒の八木三日女(「Unicorn」創刊号 昭和43…
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回廊をのむ回廊のアヴェ・マリア 豊口陽子
回廊をのむ回廊のアヴェ・マリア)豊口陽子(『藪姫』))その…
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野の落暉八方へ裂け 戰爭か 楠本憲吉
野の落暉八方へ裂け 戰爭か楠本憲吉(『隱花植物』)空から降…
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嵐の埠頭蹴る油にもまみれ針なき時計 赤尾兜子
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同じ事を二本のレール思はざる 阿部青鞋
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酒醸す色とは白や米その他 中井余花朗
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しろい小さいお面いっぱい一茶のくに 阿部完市
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風へおんがくがことばがそして葬 夏木久
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ポメラニアンすごい不倫の話きく 長嶋有
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迷宮へ靴取りにゆくえれめのぴー 中嶋憲武