兎もも肉の赤ワイン煮

Cuisses de lapin au vin rouge


「薬喰(くすりぐい)」という季語があります。冬場、体力をつけるために鹿や猪、兎などの猟肉を食べることを指すことば。仏教の教えで肉食が嫌われた時代、血行をよくし身体を温める獣肉食を、薬と称したのですね。

フランスでも、兎や猪、熊などは狩猟シーズンである晩秋から冬の食べもの。兎などは本当の狩猟によるジビエだけでなく、お肉屋さんで畜養のものもあり入手しやすいです。

兎もも肉の赤ワイン煮。焼いて皮を剥いた赤パプリカと一緒に煮込むと、甘みも彩りも加わって華やかなごちそうになります。

冷え込んできました。しっかり食べて寒さに負けずに過ごしたいですね。

手が冷た頬に当てれば頬冷た  波多野爽波

季語【冷たし】【薬喰】【兎】【熊】【猪狩】【狩】

*本記事は野崎海芋さんのInstagram( kaiunozaki )より、ご本人の許可を得て、転載させていただいております。本家インスタもぜひご覧ください。


【執筆者プロフィール】
野崎 海芋(のざき かいう)
フランス家庭料理教室を主宰。 「澤」俳句会同人、小澤實に師事。平成20年澤新人賞受賞。平成29年第一句集『浮上』上梓。俳人協会会員。


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