ハイクノミカタ
-
死も佳さそう黒豆じっくり煮るも佳し 池田澄子【季語=黒豆(新年)】
死も佳さそう黒豆じっくり煮るも佳し池田澄子「死も佳さそう」にどきっとする。死の持つ重たいイメージを覆す軽やかな文体。それでいて読者を納得させる力がある。「死も佳さそう」の「も」によって並立されている…
-
主よ人は木の髄を切る寒い朝 成田千空【季語=寒し(冬)】
主よ人は木の髄を切る寒い朝成田千空『萬緑』創刊から7年後の…
-
若き日の映画も見たりして二日 大牧広【季語=二日(新年)】
若き日の映画も見たりして二日大牧広先日、初めて黒澤明監督の…
-
美しき時雨の虹に人を待つ 森田愛子【季語=時雨(冬)】
美しき時雨の虹に人を待つ森田愛子(『虹』) 作者は、若くし…
-
蓮根や泪を横にこぼしあひ 飯島晴子【季語=蓮根(冬)】
蓮根や泪を横にこぼしあひ)飯島晴子 『朱田』全体の景色は、…
-
命より一日大事冬日和 正木ゆう子【季語=冬日和(冬)】
-
雪の速さで降りてゆくエレベーター 正木ゆう子【季語=雪(冬)】
-
仰向けに冬川流れ無一文 成田千空【季語=冬川(冬)】
-
或るときのたつた一つの干葡萄 阿部青鞋
-
弟へ恋と湯婆ゆづります 攝津幸彦【季語=湯婆(冬)】
-
みどり児のゐて冬瀧の見える家 飯島晴子【季語=冬瀧(冬)】
-
冬の水突つつく指を映しけり 千葉皓史【季語=冬の水(冬)】