ハイクノミカタ

  1. 手袋に切符一人に戻りたる 浅川芳直【季語=手袋(冬)】

    手袋に切符一人に戻りたる浅川芳直人は一人で生まれ、一人で死んでゆく。人生の大半は家族や仲間と一緒に過ごすが、生涯の始まる前と終わった後は一人なのだ。様々な別れも、もともとは一人だったのだから…

  2. 雪が来るうさぎの耳とうさぎの目 青柳志解樹【季語=雪(冬)】

    雪が来るうさぎの耳とうさぎの目青柳志解樹大相撲初場所が大詰…

  3. 室咲きをきりきり締めて届きたり 蓬田紀枝子【季語=室咲(冬)】

    室咲きをきりきり締めて届きたり蓬田紀枝子「先生の句は難しい…

  4. 最終回みたいな街に鯨来る 斎藤よひら【季語=鯨(冬)】

    最終回みたいな街に鯨来る斎藤よひら晩学のせいか、若い方の俳…

  5. 冬河原のつぴきならぬ恋ならめ 行方克巳【季語=冬河原(冬)】

    冬河原のつぴきならぬ恋ならめ行方克巳(『昆虫記』) 冬の河…

  6. 髪で捲く鏡や冬の谷底に 飯島晴子【季語=冬(冬)】

  7. マフラーを巻いてやる少し絞めてやる 柴田佐知子【季語=マフラー(冬)】

  8. 真っ白な息して君は今日も耳栓が抜けないと言う 福田若之【季語=真っ白な息(冬)】

  9. わが腕は翼風花抱き受け 世古諏訪【季語=風花(冬)】

  10. 海外のニュースの河馬が泣いていた 木田智美【無季】

  11. ひきつゞき身のそばにおく雪兎 飯島晴子【季語=雪兎(冬)】

  12. 降る雪や玉のごとくにランプ拭く 飯田蛇笏【季語=雪降る(冬)】

おすすめ記事

  1. こんな本が出た【2021年4月刊行分】
  2. みかんいろのみかんらしくうずもれている 岡田幸生【季語=蜜柑(冬)】
  3. 啄木鳥や落葉をいそぐ牧の木々 水原秋桜子【季語=啄木鳥(秋)】
  4. 神保町に銀漢亭があったころ【第99回】川島秋葉男
  5. 麦真青電柱脚を失へる 土岐錬太郎【季語=青麦(夏)】

Pickup記事

  1. 春の日やあの世この世と馬車を駆り 中村苑子【季語=春の日(春)】
  2. 天高し深海の底は永久に闇 中野三允【季語=天高し(秋)】
  3. こほろぎや女の髪の闇あたたか 竹岡一郎【季語=蟋蟀(秋)】
  4. 椿咲くたびに逢いたくなっちゃだめ 池田澄子【季語=椿(春)】
  5. がんばるわなんて言うなよ草の花 坪内稔典【季語=草の花(秋)】
PAGE TOP