ハイクノミカタ
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手袋に切符一人に戻りたる 浅川芳直【季語=手袋(冬)】
手袋に切符一人に戻りたる浅川芳直人は一人で生まれ、一人で死んでゆく。人生の大半は家族や仲間と一緒に過ごすが、生涯の始まる前と終わった後は一人なのだ。様々な別れも、もともとは一人だったのだから…
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雪が来るうさぎの耳とうさぎの目 青柳志解樹【季語=雪(冬)】
雪が来るうさぎの耳とうさぎの目青柳志解樹大相撲初場所が大詰…
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室咲きをきりきり締めて届きたり 蓬田紀枝子【季語=室咲(冬)】
室咲きをきりきり締めて届きたり蓬田紀枝子「先生の句は難しい…
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最終回みたいな街に鯨来る 斎藤よひら【季語=鯨(冬)】
最終回みたいな街に鯨来る斎藤よひら晩学のせいか、若い方の俳…
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冬河原のつぴきならぬ恋ならめ 行方克巳【季語=冬河原(冬)】
冬河原のつぴきならぬ恋ならめ行方克巳(『昆虫記』) 冬の河…
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髪で捲く鏡や冬の谷底に 飯島晴子【季語=冬(冬)】
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マフラーを巻いてやる少し絞めてやる 柴田佐知子【季語=マフラー(冬)】
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真っ白な息して君は今日も耳栓が抜けないと言う 福田若之【季語=真っ白な息(冬)】
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わが腕は翼風花抱き受け 世古諏訪【季語=風花(冬)】
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海外のニュースの河馬が泣いていた 木田智美【無季】
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ひきつゞき身のそばにおく雪兎 飯島晴子【季語=雪兎(冬)】
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降る雪や玉のごとくにランプ拭く 飯田蛇笏【季語=雪降る(冬)】