ハイクノミカタ

草餅や不参遅参に会つぶれ 富永眉月【季語=草餅(春)】


草餅や不参遅参に会つぶれ

富永眉月

草餅で済むような気負わない会なのだろう。久闊を叙す同窓会とか、その他それなりの会となると桜餅くらいになりそうだ。町内会とか、それくらいの定例の会なのかもしれない。

春はどこもかしこも忙しくて、いつもより不参遅参が出る。どうしようもない不義理もある。どうしようもないこともあるのだが、ただこの草餅の前に居る人は、やっぱり会に来てはいて、それで会がつぶれた後にそこにいるのだ。

この人が憤慨しているという感じはあまりしない。措辞の気分の方向も草餅によって定められている感じがする。

不参と遅参だと、どちらの方が怒らせるだろう。後者の方が気にかけさせるのだから面倒をかけるのかもしれない。無理な時はなるべく早めに伝えようと思うのだが、他の人の予定の急変でこっちも急変して、結果不義理がそこに誕生することもある。何もかもから解き放たれて暇な春を過ごしたい。

安里琉太



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【執筆者プロフィール】
安里琉太(あさと・りゅうた)
1994年沖縄県生まれ。「銀化」「群青」「」同人。句集に『式日』(左右社・2020年)。 同書により、第44回俳人協会新人賞


2020年10月からスタートした「ハイクノミカタ」。【シーズン1】は、月曜=日下野由季→篠崎央子(2021年7月〜)、火曜=鈴木牛後、水曜=月野ぽぽな、木曜=橋本直、金曜=阪西敦子、土曜=太田うさぎ、日曜=小津夜景さんという布陣で毎日、お届けしてきた記録がこちらです↓



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>>〔1〕松風や俎に置く落霜紅      森澄雄


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