ハイクノミカタ橋本直
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未来より滝を吹き割る風来たる 夏石番矢【季語=滝(夏)】
未来より滝を吹き割る風来たる夏石番矢(『Métropolitique』)俳句における四時の循環とそれに伴う人事の変遷は、季節が繰り返ししつつ、しかしそれは以前のそれではないという無常としての不可逆的…
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夏至白夜濤たちしらむ漁港かな 飯田蛇笏【季語=夏至白夜(夏)】
夏至白夜濤たちしらむ漁港かな飯田蛇笏(『飯田蛇笏全句集』角川ソフィア文庫)…
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厚餡割ればシクと音して雲の峰 中村草田男【季語=雲の峰(夏)】
厚餡割ればシクと音して雲の峰中村草田男(『音数で引く俳句歳時記 夏』)…
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アルプスの雪渓見えてくる離陸 稲畑汀子【季語=雪渓(夏)】
アルプスの雪渓見えてくる離陸稲畑汀子(『稲畑汀子俳句集成』)…
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巡査つと来てラムネ瓶さかしまに 高濱虚子【季語=ラムネ(夏)】
巡査つと来てラムネ瓶さかしまに高濱虚子(改造社『俳諧歳時記 夏』)…
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黒鯛のけむれる方へ漕ぎ出づる 宇多喜代子【季語=黒鯛(夏)】
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だんだんと暮色の味となるビール 松本てふこ【季語=ビール(夏)】
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大揺れのもののおもてを蟻の道 千葉皓史【季語=蟻(夏)】
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銀河系のとある酒場のヒヤシンス 橋 閒石【季語=ヒヤシンス(春)】
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春の日やあの世この世と馬車を駆り 中村苑子【季語=春の日(春)】
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灰神楽かと思ひきや杉花粉 天沢退二郎【季語=杉花粉(春)】
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黄沙いまかの楼蘭を発つらむか 藤田湘子【季語=黄沙(春)】