ハイクノミカタ篠崎央子
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卒業す片恋少女鮮烈に 加藤楸邨【季語=卒業(春)】
卒業す片恋少女鮮烈に加藤楸邨(『吹越』)春の別れ、それは卒業式。憧れの先輩も同級生もみな新しい生活へと旅立ってゆく。もう、一緒に机を並べることもなければ、校舎ですれ違うこともない。だから、最後に渾身…
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誰をおもひかくもやさしき雛の眉 加藤三七子【季語=雛(春)】
誰をおもひかくもやさしき雛の眉加藤三七子(『無言詣』)3月…
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海苔あぶる手もとも袖も美しき 瀧井孝作【季語=海苔(春)】
海苔あぶる手もとも袖も美しき瀧井孝作(『海ほほづき』)海苔…
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鳥の恋いま白髪となる途中 鳥居真里子【季語=鳥の恋(春)】
鳥の恋いま白髪となる途中鳥居真里子(『鼬の姉妹』) 鳥の繁…
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魚は氷に上るや恋の扉開く 青柳飛【季語=魚氷に上る(春)】
魚は氷に上るや恋の扉開く青柳飛(「天為」) 俳人の間で「歳…
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寒いねと彼は煙草に火を点ける 正木ゆう子【季語=寒い(冬)】
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純愛や十字十字の冬木立 対馬康子【季語=冬木立(冬)】
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冬河原のつぴきならぬ恋ならめ 行方克巳【季語=冬河原(冬)】
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忽然と昭和をはりぬ夕霧忌 森竹須美子【季語=夕霧忌(冬)】
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恋にしてわざと敗けたるかるた哉 羅蘇山人【季語=かるた(新年)】
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クリスマス「君と結婚していたら」 堀井春一郎【季語=クリスマス(冬)】
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毛糸玉秘密を芯に巻かれけり 小澤克己【季語=毛糸玉(冬)】