ハイクノミカタ篠崎央子
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赤い月にんげんしろき足そらす 富澤赤黄男【季語=月(秋)】
赤い月にんげんしろき足そらす富澤赤黄男(『魚の骨』) 〈宙に浮く左の脚にキスされたことを死ぬまで覚えていよう 笹岡理絵〉。この歌に出逢ったのは、16年前のこと。『新世紀青春歌人アンソロジー 太陽の舟…
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泥棒の恋や月より吊る洋燈 大屋達治【季語=月(秋)】
泥棒の恋や月より吊る洋燈ラムプ 大屋達治(『繍鸞』) 小…
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耳飾るをとこのしなや西鶴忌 山上樹実雄【季語=西鶴忌(秋)】
耳飾るをとこのしなや西鶴忌山上樹実雄(『四時抄』) 思春期…
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昼の虫手紙はみんな恋に似て 細川加賀【季語=昼の虫(秋)】
昼の虫手紙はみんな恋に似て細川加賀(『細川加賀全句集』) …
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朝貌や惚れた女も二三日 夏目漱石【季語=朝貌(秋)】
朝貌や惚れた女も二三日夏目漱石 (『漱石俳句集』) 近所の…
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秋茄子の漬け色不倫めけるかな 岸田稚魚【季語=秋茄子(秋)】
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中年や遠くみのれる夜の桃 西東三鬼【季語=桃(秋)】
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太る妻よ派手な夏着は捨てちまへ ねじめ正也【季語=夏着(夏)】
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冷房とまる高階純愛の男女残し 金子兜太【季語=冷房(夏)】
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白衣とて胸に少しの香水を 坊城中子【季語=香水(夏)】
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きつかけはハンカチ借りしだけのこと 須佐薫子【季語=ハンカチ(夏)】
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わが恋人涼しチョークの粉がこぼれ 友岡子郷【季語=涼し(夏)】