ハイクノミカタ篠崎央子

  1. 赤い月にんげんしろき足そらす 富澤赤黄男【季語=月(秋)】

    赤い月にんげんしろき足そらす富澤赤黄男(『魚の骨』) 〈宙に浮く左の脚にキスされたことを死ぬまで覚えていよう 笹岡理絵〉。この歌に出逢ったのは、16年前のこと。『新世紀青春歌人アンソロジー 太陽の舟…

  2. 泥棒の恋や月より吊る洋燈 大屋達治【季語=月(秋)】

     泥棒の恋や月より吊る洋燈ラムプ 大屋達治(『繍鸞』) 小…

  3. 耳飾るをとこのしなや西鶴忌 山上樹実雄【季語=西鶴忌(秋)】

    耳飾るをとこのしなや西鶴忌山上樹実雄(『四時抄』) 思春期…

  4. 昼の虫手紙はみんな恋に似て 細川加賀【季語=昼の虫(秋)】

    昼の虫手紙はみんな恋に似て細川加賀(『細川加賀全句集』) …

  5. 朝貌や惚れた女も二三日 夏目漱石【季語=朝貌(秋)】

    朝貌や惚れた女も二三日夏目漱石 (『漱石俳句集』) 近所の…

  6. 秋茄子の漬け色不倫めけるかな 岸田稚魚【季語=秋茄子(秋)】

  7. 中年や遠くみのれる夜の桃 西東三鬼【季語=桃(秋)】

  8. 太る妻よ派手な夏着は捨てちまへ ねじめ正也【季語=夏着(夏)】

  9. 冷房とまる高階純愛の男女残し 金子兜太【季語=冷房(夏)】

  10. 白衣とて胸に少しの香水を 坊城中子【季語=香水(夏)】

  11. きつかけはハンカチ借りしだけのこと 須佐薫子【季語=ハンカチ(夏)】

  12. わが恋人涼しチョークの粉がこぼれ 友岡子郷【季語=涼し(夏)】

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  5. 目のなかに芒原あり森賀まり 田中裕明【季語=芒(秋)】

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  4. 義士の日や途方に暮れて人の中 日原傳【季語=義士の日(冬)】
  5. 蝌蚪の紐掬ひて掛けむ汝が首に 林雅樹【季語=蝌蚪(春)】
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