ハイクノミカタ篠崎央子

  1. 九十の恋かや白き曼珠沙華 文挾夫佐恵【季語=曼珠沙華(秋)】

    九十の恋かや白き曼珠沙華文挾夫佐恵(『青愛鷹』) 若い頃は、死ぬまで恋をしていたいと思っていた。だから、老いらくの恋にも憧れた。一人の男性に拘らず、沢山の人と出逢い恋をしたいと願っていた。ところが、…

  2. もう逢わぬ距りは花野にも似て 澁谷道【季語=花野(秋)】

    もう逢わぬ距(へだた)りは花野にも似て澁谷道(『縷紅集』)…

  3. 目のなかに芒原あり森賀まり 田中裕明【季語=芒(秋)】

    目のなかに芒原あり森賀まり田中裕明(『夜の客人』) 作者の…

  4. 葛の花むかしの恋は山河越え 鷹羽狩行【季語=葛の花(秋)】

    葛の花むかしの恋は山河越え鷹羽狩行(『月歩抄』) 葛の花と…

  5. 呪ふ人は好きな人なり紅芙蓉 長谷川かな女【季語=芙蓉(秋)】

    呪ふ人は好きな人なり紅芙蓉長谷川かな女(『長谷川かな女全集』)…

  6. あかくあかくカンナが微熱誘ひけり 高柳重信【季語=カンナ(秋)】

  7. 滴りてふたりとは始まりの数 辻美奈子【季語=滴り(夏)】

  8. みちのくに戀ゆゑ細る瀧もがな 筑紫磐井【季語=滝(夏)】

  9. 告げざる愛地にこぼしつつ泉汲む 恩田侑布子【季語=泳ぐ(夏)】

  10. 愛されずして沖遠く泳ぐなり 藤田湘子【季語=泳ぐ(夏)】

  11. 青大将この日男と女かな 鳴戸奈菜【季語=青大将(夏)】

  12. むかし吾を縛りし男の子凌霄花 中村苑子【季語=凌霄花(夏)】

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  3. 一瞬で耳かきを吸う掃除機を見てしまってからの長い夜 公木正
  4. 虹の後さづけられたる旅へ発つ 中村草田男【季語=虹(夏)】
  5. 牛日や駅弁を買いディスク買い 木村美智子【季語=牛日(新年)】

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  4. あり余る有給休暇鳥の恋 広渡敬雄【季語=鳥の恋(春)】
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