ハイクノミカタ篠崎央子
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羅や人悲します恋をして鈴木真砂女【季語=羅(夏)】
羅や人悲します恋をして鈴木真砂女(『生簀籠』) 羅(うすもの)は、絽、紗、透綾、上布などの薄絹で作った、透けるような単衣の着物のこと。涼しげな装いであるとともに、儚げな印象がある。夏の句会で、とある…
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ふところに乳房ある憂さ梅雨ながき 桂信子【季語=梅雨(夏)】
ふところに乳房ある憂さ梅雨ながき桂信子(『女身』) 梅雨の…
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夏みかん酢つぱしいまさら純潔など 鈴木しづ子【季語=夏みかん(夏)】
夏みかん酢つぱしいまさら純潔など鈴木しづ子(『指輪』) 俳…
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跳ぶ時の内股しろき蟇 能村登四郎【季語=蟇(夏)】
跳ぶ時の内股しろき蟇能村登四郎(『易水』) ヒキガエルにセ…
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天使魚の愛うらおもてそして裏 中原道夫【季語=天使魚(夏)】
天使魚の愛うらおもてそして裏中原道夫(『蕩児』) 熱帯魚と…
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Tシャツの干し方愛の終わらせ方 神野紗希【季語=Tシャツ(夏)】
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扇子低く使ひぬ夫に女秘書 藤田直子【季語=扇子(夏)】
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中年の恋のだんだら日覆かな 星野石雀【季語=日覆(夏)】
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散るときのきてちる牡丹哀しまず 稲垣きくの【季語=牡丹(夏)】
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春の水とは濡れてゐるみづのこと 長谷川櫂【季語=春の水(春)】
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人妻ぞいそぎんちやくに指入れて 小澤實【季語=磯巾着(春)】
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春ショール靡きやすくて恋ごこち 檜紀代【季語=春ショール(春)】