ハイクノミカタ篠崎央子
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寝化粧の鏡にポインセチア燃ゆ 小路智壽子【季語=ポインセチア(冬)】
寝化粧の鏡にポインセチア燃ゆ小路智壽子(『絵屏風』) 寝化粧とは、現代では寝る前に顔の肌を保湿するため化粧水や乳液を塗ることである。中国の後宮では、寝化粧というと皇帝の訪れを待つ女達が夕暮れから施す…
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服脱ぎてサンタクロースになるところ 堀切克洋【季語=サンタクロース(冬)】
服脱ぎてサンタクロースになるところ堀切克洋(『尺蠖の道』)…
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山茶花のくれなゐひとに訪はれずに 橋本多佳子【季語=山茶花(冬)】
山茶花のくれなゐひとに訪はれずに橋本多佳子(『信濃』) 小…
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恋の句の一つとてなき葛湯かな 岩田由美【季語=葛湯(冬)】
恋の句の一つとてなき葛湯かな岩田由美(『春望』) 子供の頃…
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待ち人の来ず赤い羽根吹かれをり 涼野海音【季語=赤い羽根(秋)】
待ち人の来ず赤い羽根吹かれをり涼野海音(『一番線』) 赤い…
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男色や鏡の中は鱶の海 男波弘志【季語=鱶(冬)】
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愛かなしつめたき目玉舐めたれば 榮猿丸【季語=冷たし(冬)】
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「ぺットでいいの」林檎が好きで泣き虫で 楠本憲吉【季語=林檎(秋)】
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しんじつを籠めてくれなゐ真弓の実 後藤比奈夫【季語=真弓の実(秋)】
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背のファスナ一気に割るやちちろ鳴く 村山砂田男【季語=ちちろ鳴く(秋)】
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木犀や同棲二年目の畳 髙柳克弘【季語=木犀(秋)】
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手に負へぬ萩の乱れとなりしかな 安住敦【季語=萩(秋)】