ハイクノミカタ

鳥の恋いま白髪となる途中 鳥居真里子【季語=鳥の恋(春)】


鳥の恋いま白髪となる途中

鳥居真里子
『鼬の姉妹』

 鳥の繁殖期は、晩春から夏といわれている。梅雨の頃に燕や鴉の巣を見かけることも多い。だが、梅の咲き始めた2月の暖かい日には、鳩や目白などが睦み合っている姿を目にすることがある。鳥の恋の始まりである。

 ある年の2月の梅見吟行では、梅よりも地面の上で展開された鳩の恋が注目を集めた。鳩の求愛は分かりやすい。雄鳩は、首筋の瑠璃色の羽を膨らませ雌鳩を追いかける。自身の姿を大きく見せながら、威圧的な態度で雌鳩に近づいてゆく雄鳩は、何とも滑稽である。愛を受け入れるには何かしらの条件が要るのだろう。雌鳩はひたすら逃げ、雄鳩はひたすら追う。雌鳩があからさまな拒絶をしても諦めない。誰かが「随分としつこい鳩ね。まるでストーカーみたい」と言い、笑いを誘う。詳しい恋の作法は分からないが、愛を受け入れた雌鳩は雄鳩より口移しで餌を貰う。嘴を喉の奥の方まで入れて餌を求める雌鳩の姿は、積極的というよりは浅ましく見える。「激しいディープキスね。今度は雌の方が迫ってるわ」。人の眼には、そんな風に映るのだ。その後、雄鳩が雌鳩の上に乗り短い交わりを行う。その際、雌鳩は、目を細め恍惚とした表情となる。「鳥といえども恋をすると女の貌になるのね」と、妙齢の女性達の観察力に驚かされた。

 鳥の恋は一途で相手を変えないと信じられていた。『今昔物語』30巻第13話には、夫と死別後、再婚を拒む女の話がある。再婚を迫る両親に女は条件を出す。「毎年家の軒に巣を作る燕の雄を殺した上で雌の首に赤い糸を付けて放して下さい。しるしを付けた雌が翌年、別の相手を連れて巣を作ったのなら再婚を考えます」と。明くる年の春、赤い糸を付けた雌燕は一匹で戻ってきた。それ以後、両親は女に再婚を勧めることはなかった。とても残酷な話なのだが、燕が生涯相手を変えないと信じられていたことが分かる説話である。

 ちなみに燕は、前年と同じ相手と結ばれる確率は約半分とのこと。相手が死別したもの同士が結ばれることもあれば、雌がより強い若い燕に乗り換えることもあるとのこと。仲の良い夫婦のことを「鴛鴦夫婦」というが、鴛鴦もまた相手を変える鳥である。相手を一生変えない鳥で有名なのは鶴である。雪原での求愛ダンスが美しい。真鴨や鳩、鴉なども相手を変えないらしい。

 恋をしている時は誰しも、その想いは一生続くと信じて疑わない。特に日本人女性は「貞女は二夫にまみえず」との教えを受けた時代があるため、夫と死別しても再婚を望まなかった。現代では、恋多き女は当たり前。たくさん恋をした上で男性を選び、一緒に暮らしてみて「違うな」と思えば離婚もできるし再婚もできる。独りが良いと思えば結婚はせずに恋を楽しむ。生涯相手を変えない恋というのは、理想論になりつつある。

鳥の恋いま白髪となる途中
鳥居真里子
(『鼬の姉妹』)

 掲句は、生涯相手を変えない鳥の恋を詠んでいる。人間の夫婦が共に白髪となり長寿を全うする「共白髪」の途中なのである。多少の毛羽の乱れや汚れはあるものの、美しい容姿のまま春になれば恋し合う鳥を人間の頭髪の老いに換算したところが面白い。動物には、発情期があるため相手を求め合う季節が春と限定されている。人間のように季節を問わず恋をしているわけではない。巣作りも子育ても役割分担の決まった共同作業で人間の眼には仲睦まじく映る。日本で越冬する鶴や鴨は、繁殖地に渡る前に求愛行動を行い、海を越えてゆく。逆に夏鳥である燕は、求愛を済ませた後に飛来し、巣作りをする。渡り鳥も留鳥も春になるたびに、また求愛から夫婦関係をやり直すのである。毎年同じ相手に恋をするというのは長続きの秘訣のような気もする。白髪の生える年齢になると面倒くさい話ではあるのだが。

 1980年代に流行った食器洗い用洗剤のチャーミーグリーンのCMでは、冒頭は若い夫婦が「チャーミーグリーンを使うと手を繋ぎたくなる」という歌とともに踊り、その後、老夫婦が「うちも使ってます」と言い、手を繋いでスキップをする。当時の若者はみな、手を繋いで微笑みあう老夫婦に憧れを抱いた。「チャーミーグリーンのような老夫婦になろう」というプロポーズの言葉もあったらしい。一方、テレビドラマでは、家庭を顧みない男性の出世話と人妻の恋愛話が流行っていた。永遠の愛に疑問が投げかけられていた時代でもあった。

 私の友人のAさんは、ダンディーな年上男性ばかりを好きになるため婚期が遅れた。30歳の頃、院卒入社の5歳年下の男性がまだ学生のような身なりをしているのに惹かれて交際するようになった。ファーストフードを主食としていた彼に高級料理の味を覚えさせ、マジックテープの財布をブランド品の革財布に変えさせた。若い恋人を自分好みの男性に変身させたのである。男性もまたAさんの期待に応えようと精一杯の結婚式を挙げた。結婚2年目には「お前の我儘にはもう付き合えない」と夫が実家に逃げ帰るという事態が起こる。その仕返しとしてAさんも家出。結局は双方が謝罪し、しばらくは蜜月が続いた。3年目には、出世した夫の帰りが深夜を過ぎるようになる。そんな時、25歳の美容師に恋をしてしまう。腕は良いのだが売れっ子というわけでもないイケメン美容師。食事に誘うとナイフとフォークの使い方も分からない野暮ったさ。それが新鮮に見えたのだろう。あれやこれやと世話を焼いた。ところが美容師は、夫と違い、飲み込みが悪いのかプライドが高いのか思うようにならない。半年ほどで別れた。「やっぱり夫が一番。夫婦の愛を確かめるためにも必要な浮気だったのよ」と昭和のオジサマも真青な都合の良い言い訳をした。4年目には子供が生まれて、四苦八苦の子育てが始まった。その後も子供の教育方針を巡り喧嘩をすることもあったが、世間的にみれば順調な家庭生活を営んでいた。数年前には、親の介護問題で大喧嘩をしたらしい。Aさんが言うには、喧嘩をするたびに愛が深まるとのこと。50歳になってもまだ美しいAさん。息子さんはまだ高校生。これからもひと波乱ありそうだ。

 俳句の世界では、子育ての終了や定年退職を機に夫婦で俳句を始める方も多い。共通の話題がなくなった空白を埋めるために、同じ趣味を通して一緒に過ごす時間を作るのである。俳句を詠み始めると旅行が楽しくなる。句会では、双方が異性に声を掛けられることもある。ちょっとした刺激になるのだ。

 年齢に関わらず新しいことを始めるには勇気が要る。これまで積み重ねてきたものを一度まっさらにして最初から始めるのだから。恋愛でいえば「趣味は何ですか」という会話から始めるようなものである。でも、新しいことを始めれば、また新しい恋心が生まれる。鶴が春になるたびに、恋愛のやり直しをするように、白髪の生え始めた夫婦も新しいことを始めればまた恋の最初の気持ちに戻れるのだ。

 夫婦間の恋の持続は人それぞれだ。生活のなかで何度も惚れ直して続く場合もあれば、子育てが終わって、二人きりになった時に再び恋をし直すこともある。お互い真っ白な髪になるまでには、恋の始まりと終わりが何回も繰り返されるのだ。生涯一人の相手との恋を全うすることは難しい。特に現代の世では、いくつもの選択肢が用意されている。結婚した時期や状況にもよるが、毎日一緒に過ごす相手と周期的に恋と倦怠期を繰り返せば、チャーミーグリーンのような老夫婦になれるのではないだろうか。

篠崎央子


篠崎央子さんの句集『火の貌』はこちら↓】


【執筆者プロフィール】
篠崎央子(しのざき・ひさこ)
1975年茨城県生まれ。2002年「未来図」入会。2005年朝日俳句新人賞奨励賞受賞。2006年未来図新人賞受賞。2007年「未来図」同人。2018年未来図賞受賞。2021年星野立子新人賞受賞。俳人協会会員。『火の貌』(ふらんす堂、2020年)により第44回俳人協会新人賞。「磁石」同人。


2020年10月からスタートした「ハイクノミカタ」。【シーズン1】は、月曜=日下野由季→篠崎央子(2021年7月〜)、火曜=鈴木牛後、水曜=月野ぽぽな、木曜=橋本直、金曜=阪西敦子、土曜=太田うさぎ、日曜=小津夜景さんという布陣で毎日、お届けしてきた記録がこちらです↓


【篠崎央子のバックナンバー】
>>〔129〕魚は氷に上るや恋の扉開く 青柳飛
>>〔128〕寒いねと彼は煙草に火を点ける 正木ゆう子
>>〔127〕純愛や十字十字の冬木立 対馬康子
>>〔126〕冬河原のつぴきならぬ恋ならめ 行方克巳
>>〔125〕忽然と昭和をはりぬ夕霧忌 森竹須美子
>>〔124〕恋にしてわざと敗けたるかるた哉 羅蘇山人
>>〔123〕クリスマス「君と結婚していたら」 堀井春一郎
>>〔122〕毛糸玉秘密を芯に巻かれけり 小澤克己
>>〔121〕恋の刻急げ アリスの兎もぐもぐもぐ 中村憲子
>>〔120〕デモすすむ恋人たちは落葉に佇ち 宮坂静生
>>〔119〕美しき時雨の虹に人を待つ 森田愛子
>>〔118〕弟へ恋と湯婆ゆづります 攝津幸彦
>>〔117〕にんじんサラダわたし奥様ぢやないぞ 小川楓子
>>〔116〕山椒の実噛み愛憎の身の細り 清水径子
>>〔115〕恋ふたつ レモンはうまく切れません 松本恭子
>>〔114〕あきざくら咽喉に穴あく情死かな 宇多喜代子
>>〔113〕赤い月にんげんしろき足そらす 富澤赤黄男
>>〔112〕泥棒の恋や月より吊る洋燈 大屋達治
>>〔111〕耳飾るをとこのしなや西鶴忌 山上樹実雄
>>〔110〕昼の虫手紙はみんな恋に似て 細川加賀
>>〔109〕朝貌や惚れた女も二三日 夏目漱石
>>〔108〕秋茄子の漬け色不倫めけるかな 岸田稚魚
>>〔107〕中年や遠くみのれる夜の桃 西東三鬼
>>〔106〕太る妻よ派手な夏着は捨てちまへ ねじめ正也
>>〔105〕冷房とまる高階純愛の男女残し 金子兜太
>>〔104〕白衣とて胸に少しの香水を   坊城中子
>>〔103〕きつかけはハンカチ借りしだけのこと 須佐薫子
>>〔102〕わが恋人涼しチョークの粉がこぼれ 友岡子郷
>>〔101〕姦通よ夏木のそよぐ夕まぐれ  宇多喜代子
>>〔100〕水喧嘩恋のもつれも加はりて   相島虚吼

>>〔99〕キャベツに刃花嫁衣裳は一度きり 山田径子
>>〔98〕さよならと梅雨の車窓に指で書く 長谷川素逝
>>〔97〕夏帯にほのかな浮気心かな    吉屋信子
>>〔96〕虎の尾を一本持つて恋人来    小林貴子
>>〔95〕マグダラのマリア恋しや芥子の花 有馬朗人
>>〔94〕五十なほ待つ心あり髪洗ふ    大石悦子
>>〔93〕青い薔薇わたくし恋のペシミスト 高澤晶子
>>〔92〕恋終りアスパラガスの青すぎる 神保千恵子
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>>〔51〕夏みかん酢つぱしいまさら純潔など 鈴木しづ子
>>〔50〕跳ぶ時の内股しろき蟇      能村登四郎
>>〔49〕天使魚の愛うらおもてそして裏   中原道夫
>>〔48〕Tシャツの干し方愛の終わらせ方  神野紗希
>>〔47〕扇子低く使ひぬ夫に女秘書     藤田直子
>>〔46〕中年の恋のだんだら日覆かな    星野石雀
>>〔45〕散るときのきてちる牡丹哀しまず 稲垣きくの
>>〔44〕春の水とは濡れてゐるみづのこと  長谷川櫂
>>〔43〕人妻ぞいそぎんちやくに指入れて   小澤實
>>〔42〕春ショール靡きやすくて恋ごこち   檜紀代
>>〔41〕サイネリア待つといふこときらきらす 鎌倉佐弓


>〔40〕さくら貝黙うつくしく恋しあふ   仙田洋子
>〔39〕椿咲くたびに逢いたくなっちゃだめ 池田澄子
>〔38〕沈丁や夜でなければ逢へぬひと  五所平之助
>〔37〕薄氷の筥の中なる逢瀬かな     大木孝子
>〔36〕東風吹かば吾をきちんと口説きみよ 如月真菜
>〔35〕永き日や相触れし手は触れしまま  日野草城
>〔34〕鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし    三橋鷹女
>〔33〕毒舌は健在バレンタインデー   古賀まり子
>〔32〕春の雪指の炎ゆるを誰に告げむ  河野多希女
>〔31〕あひみての後を逆さのかいつぶり  柿本多映
>〔30〕寒月下あにいもうとのやうに寝て 大木あまり
>〔29〕どこからが恋どこまでが冬の空   黛まどか
>〔28〕寒木が枝打ち鳴らす犬の恋     西東三鬼
>〔27〕ひめはじめ昔男に腰の物      加藤郁乎
>〔26〕女に捨てられたうす雪の夜の街燈  尾崎放哉
>〔25〕靴音を揃えて聖樹まで二人    なつはづき
>〔24〕火事かしらあそこも地獄なのかしら 櫂未知子
>〔23〕新宿発は逃避行めき冬薔薇    新海あぐり
>〔22〕海鼠噛むことも別れも面倒な    遠山陽子
>〔21〕松七十や釣瓶落しの離婚沙汰   文挾夫佐恵

>〔20〕松葉屋の女房の円髷や酉の市  久保田万太郎
>〔19〕こほろぎや女の髪の闇あたたか   竹岡一郎
>〔18〕雀蛤となるべきちぎりもぎりかな 河東碧梧桐
>〔17〕恋ともちがふ紅葉の岸をともにして 飯島晴子
>〔16〕月光に夜離れはじまる式部の実   保坂敏子
>〔15〕愛断たむこころ一途に野分中   鷲谷七菜子
>〔14〕へうたんも髭の男もわれのもの   岩永佐保
>〔13〕嫁がねば長き青春青蜜柑      大橋敦子
>〔12〕赤き茸礼讃しては蹴る女     八木三日女
>〔11〕紅さして尾花の下の思ひ草     深谷雄大
>>〔10〕天女より人女がよけれ吾亦紅     森澄雄
>>〔9〕誰かまた銀河に溺るる一悲鳴   河原枇杷男
>>〔8〕杜鵑草遠流は恋の咎として     谷中隆子
>>〔7〕求婚の返事来る日をヨット馳す   池田幸利
>>〔6〕愛情のレモンをしぼる砂糖水     瀧春一
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