ハイクノミカタ

恋ふたつ レモンはうまく切れません 松本恭子【季語=レモン(秋)】


恋ふたつ レモンはうまく切れません

松本恭子
(『檸檬の街で』)

 同時進行で二人の異性と恋をしてしまった経験を持つ人は多い。世間的には二股である。一夫多妻の時代を引きずる日本の男性にはよくあることであった。「浮気は男の甲斐性」とか、「英雄色を好む」とか、恋の多さは男性の勲章でもある。現在では、優柔不断と非難される。一方女性は「貞女は二夫にまみえず」との教えがあり再婚も許されなかった。だが、恋の物語には二人の男性の間で揺れる女性の姿が描かれている。

 『万葉集』の歌人額田王は、大海人皇子(天武天皇)に嫁ぎ十市皇女を生むが、後に兄である中大兄皇子(天智天皇)に寵愛された。〈茜指す紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る 額田王〉〈紫の匂へる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我恋ひめやも 大海人皇子〉。有名なこの相聞歌により、王位継承権を持つ二人の兄弟との恋を行き来していたと推測されている。額田王を巡る三角関係には否定的な説もあるが、『万葉集』では恋の物語を想像させる配列がなされている。歴史小説や漫画では、額田王との恋の縺れが壬申の乱を引き起こしたかのように描かれた。

 『源氏物語』の「宇治十帖」に登場する浮舟は、薫の君に囲われていたが、ライバルの匂宮とも恋仲となってしまう。誠実で真面目な薫の君との距離感に孤独を感じていた浮舟は、奔放で情熱的な匂宮に惹かれてゆく。二人の男性のはざまで揺れ動いたすえに、死を決意し川へ身を投げる。高貴な身分にある男性のどちらかを選ぶ権利が浮舟にはなかった。経済的な援助をしてくれている薫の君を裏切った罪の重さは死に値したのだろう。それは、恋の罪である。浮舟の心は匂宮に向いていたのではないだろうか。

 1993年から2000年にかけて人気を博したアメリカのドラマ『ビバリーヒルズ青春白書』では、大学に進学した金髪美女のケリーが優等生のブランドンとマフィアの息子ディランとの恋のはざまで揺れる。日本での放映当時、大学生であった私は、学食でカレーを食べながら、友人たちとブランドンかディランかで盛り上がった。女子大生には、危険な香りのするディランが人気であった。物語の中盤で二人の男性を振ってしまうケリーも憧れの存在であった。

 男性も女性も性格の違う異性に惹かれることはよくあることだ。頭の中では、将来結婚するにふさわしい真面目で優しい人を選ぼうとするのだが、理想とは真逆の異性にも惹かれてしまう。私の母は幼馴染で温和な性格の父と結婚した。だが、看護師の同僚でプレイボーイの医師と結婚した女性を非難しつつも羨ましがっていた。「結婚するなら誠実な人を選びなさい」と言う一方で「お金持ちの男性を手玉に取り自由に生きなさい」とも言った。母の頭の中の男性分類が、誠実な人かお金持ちかという二択しかないのが可笑しい。ルックスを考慮しないのもまた、堅実な母らしい。「色男金と力は無かりけり」とも言っていたから、太宰治のような破滅的な文系美男子は眼中に無いのだ。

 私の友人は28歳の頃、電気メーカーに勤務する男性と婚約していた。婚約者は、大人しい性格で、電話もメールも滅多に寄越さない。彼女が積極的に連絡を取り、デートの日取りや行く場所を決めていた。婚約も彼女の方から切り出した。「何でも私の言いなりで、こんな楽な人はいないわ」と言っていた。式場の予約は1年後。それまで少し羽を伸ばしたかったのだろうか。会社の同僚に誘われて行ったライブハウスで年下のバンドマンと意気投合してしまう。バンドマンは、メジャーデビューしたものの全く売れず、運送の仕事をしながら生活を繋いでいるという。ファーストフードと漫才が好きで、一緒にいると大学時代の恋を思い出し、とにかく時間を忘れるほど楽しいとのことだ。婚約者の仕事が急に忙しくなり逢う時間が少なくなったことも浮気の恋に拍車をかけた。バンドマンの仲間にも「彼女さん」と呼ばれており、友人の未来に不安を感じた。繁忙期が過ぎた婚約者から珍しく逢いたいと言われても断る始末。結婚式が半年後に迫るとさすがに、招待客のリスト作成や新居探しなどを始めた。「私、バンドマンと別れられないかも」と言いだしたのは、結婚式の3か月前。バンドマンには結婚することを告げていないというからさらに驚いた。人の恋には口出ししない主義の私も「結婚をキャンセルするなら今しかないよ」と忠告した。「婚約者とは、結婚したいの。でもバンドマンとは別れたくないの」「じゃあ、バンドマンに結婚した後も付き合ってねと言ってみたら」。結婚式の1ケ月前になってようやく別れを告げたらしい。なんとバンドマンに結婚を迫ったとか。夢を追い続けるがゆえに生活力のないバンドマンは「無理」とだけ答えたという。無事に結婚式を済ませ新婚生活を始めた友人だが、一度だけバンドマンに逢ったらしい。「久しぶりに逢ったら、子供っぽさだけが目に付いて、やっぱり夫が一番よ」と言っていた。レモンは無理に切る必要はなかったのだ。

  恋ふたつ レモンはうまく切れません  松本恭子

 作者は1986年、27歳の時に句集『檸檬の街で』を刊行。口語体を用いた青春俳句は、話題となり「レモンちゃん」の愛称で親しまれた。翌年刊行された俵万智の歌集『サラダ記念日』の人気に伴い「俳壇の俵万智」とも呼ばれた。〈ブランコ漕いで漕いでる 別れなければと 恭子〉〈さよならに泣かない約束 ポインセチア 恭子〉などは、現在も共感者が多い。

 掲句には二通りの解釈がある。一つは、デューク・エイセスの歌う『おさななじみ』(作詞:永六輔 作曲:中村八大)の歌詞「幼なじみの思い出は 青いレモンの味がする」を踏まえた解釈である。幼馴染が、お互いに別の異性と交際したことで、秘めていた恋に気付く内容だ。恋の数は二つだが、思い出を共有するレモンは切り離すことができない。別々の恋人を持ちながらも離れられない幼馴染との関係をレモンの持つ青春性に託している。もう一つは、二人の男性を好きになってしまったが、どちらがより愛しいかは、レモンがうまく切れないように分けて考えることはできないという解釈。現在では後者の方が有力である。

 確かにレモンは真ん中から刃を入れると、種や筋が邪魔をして綺麗には切れない。二つに切った一方は種が多く、もう一方は果汁が多いといった状態になる。二人の男性と恋仲にあるからこそ保たれる心の均衡やどちらも選べないぐらい好きという女心を見事に表現している。「切れません」という丁寧語にも複雑な感情が垣間見える。

 幼馴染の解釈があるのは、デューク・エイセスの歌に影響を受けた漫画が流行したことにもよるだろう。私が小学生の頃は、似たようなストーリーの漫画を多く目にした。時代的には後になるが、1997年のドラマ『いちばん大切なひと』(主演:香取慎吾・観月ありさ)もまた、幼馴染がそれぞれ別の恋人と交際しつつも離れられない関係を描いている。

作者の世代だと、あだち充の漫画『タッチ』なども読んでいたと思われる。上杉達也と和也は双子の兄弟で、幼馴染の浅倉南に想いを寄せていた。南は優等生で野球部のエースである和也よりも、努力をしない達也に惹かれていた。和也は、弟である自分に遠慮してダメな兄を演じる達也に恋の宣戦布告をし、南に想いを告げる。揺れる南ではあったが、和也は高校野球の地区予選決勝の日に事故死してしまう。達也は、和也の意志を継ぎマウンドに立つことを決意。南の夢であった甲子園を目指すことになる。最終回まで、和也への義理立てから素直になれない二人の恋がもどかしい。南も達也も他の異性からアプローチをされ、さらに拗れる。甲子園までの道のりも二人の恋も苦難の連続である。でも、もし和也が生きていたら南はどちらも選べなかった気がする。和也の死は衝撃的であったが、二人の恋の物語はそこから始まる。

 幼馴染の話ではないが、「レモンが好き。ラグビーボールに似てるから」と言ったのは、ドラマ『スクール☆ウォーズ』の圭子である。父親の命令で実業家と見合いをするも、乱入してきた恋人でラガーマンの光男と駆け落ちをする。不良高校の落ちこぼれと言われている光男より、実業家を選んだ方が良いように思うのだが、青春のレモンを切り裂くことは、誰にもできないのだ。 レモンは、ラグビーボールのような形が美しい。弾けるような黄色も溌剌とした印象を受ける。強い酸味も香りも爽やかで青春そのものである。刃を入れる時に伴う微かな罪悪感と喪失感、あるいは痛み、綺麗に切るのは難しい。青春は甘いだけではない。二人の人を同時に好きになってしまえば、恋の傷も二つとなるのだ。

篠崎央子


篠崎央子さんの句集『火の貌』はこちら↓】


【執筆者プロフィール】
篠崎央子(しのざき・ひさこ)
1975年茨城県生まれ。2002年「未来図」入会。2005年朝日俳句新人賞奨励賞受賞。2006年未来図新人賞受賞。2007年「未来図」同人。2018年未来図賞受賞。2021年星野立子新人賞受賞。俳人協会会員。『火の貌』(ふらんす堂、2020年)により第44回俳人協会新人賞。「磁石」同人。


2020年10月からスタートした「ハイクノミカタ」。【シーズン1】は、月曜=日下野由季→篠崎央子(2021年7月〜)、火曜=鈴木牛後、水曜=月野ぽぽな、木曜=橋本直、金曜=阪西敦子、土曜=太田うさぎ、日曜=小津夜景さんという布陣で毎日、お届けしてきた記録がこちらです↓


【篠崎央子のバックナンバー】
>>〔114〕あきざくら咽喉に穴あく情死かな 宇多喜代子
>>〔113〕赤い月にんげんしろき足そらす 富澤赤黄男
>>〔112〕泥棒の恋や月より吊る洋燈 大屋達治
>>〔111〕耳飾るをとこのしなや西鶴忌 山上樹実雄
>>〔110〕昼の虫手紙はみんな恋に似て 細川加賀
>>〔109〕朝貌や惚れた女も二三日 夏目漱石
>>〔108〕秋茄子の漬け色不倫めけるかな 岸田稚魚
>>〔107〕中年や遠くみのれる夜の桃 西東三鬼
>>〔106〕太る妻よ派手な夏着は捨てちまへ ねじめ正也
>>〔105〕冷房とまる高階純愛の男女残し 金子兜太
>>〔104〕白衣とて胸に少しの香水を   坊城中子
>>〔103〕きつかけはハンカチ借りしだけのこと 須佐薫子
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>>〔47〕扇子低く使ひぬ夫に女秘書     藤田直子
>>〔46〕中年の恋のだんだら日覆かな    星野石雀
>>〔45〕散るときのきてちる牡丹哀しまず 稲垣きくの
>>〔44〕春の水とは濡れてゐるみづのこと  長谷川櫂
>>〔43〕人妻ぞいそぎんちやくに指入れて   小澤實
>>〔42〕春ショール靡きやすくて恋ごこち   檜紀代
>>〔41〕サイネリア待つといふこときらきらす 鎌倉佐弓


>〔40〕さくら貝黙うつくしく恋しあふ   仙田洋子
>〔39〕椿咲くたびに逢いたくなっちゃだめ 池田澄子
>〔38〕沈丁や夜でなければ逢へぬひと  五所平之助
>〔37〕薄氷の筥の中なる逢瀬かな     大木孝子
>〔36〕東風吹かば吾をきちんと口説きみよ 如月真菜
>〔35〕永き日や相触れし手は触れしまま  日野草城
>〔34〕鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし    三橋鷹女
>〔33〕毒舌は健在バレンタインデー   古賀まり子
>〔32〕春の雪指の炎ゆるを誰に告げむ  河野多希女
>〔31〕あひみての後を逆さのかいつぶり  柿本多映
>〔30〕寒月下あにいもうとのやうに寝て 大木あまり
>〔29〕どこからが恋どこまでが冬の空   黛まどか
>〔28〕寒木が枝打ち鳴らす犬の恋     西東三鬼
>〔27〕ひめはじめ昔男に腰の物      加藤郁乎
>〔26〕女に捨てられたうす雪の夜の街燈  尾崎放哉
>〔25〕靴音を揃えて聖樹まで二人    なつはづき
>〔24〕火事かしらあそこも地獄なのかしら 櫂未知子
>〔23〕新宿発は逃避行めき冬薔薇    新海あぐり
>〔22〕海鼠噛むことも別れも面倒な    遠山陽子
>〔21〕松七十や釣瓶落しの離婚沙汰   文挾夫佐恵

>〔20〕松葉屋の女房の円髷や酉の市  久保田万太郎
>〔19〕こほろぎや女の髪の闇あたたか   竹岡一郎
>〔18〕雀蛤となるべきちぎりもぎりかな 河東碧梧桐
>〔17〕恋ともちがふ紅葉の岸をともにして 飯島晴子
>〔16〕月光に夜離れはじまる式部の実   保坂敏子
>〔15〕愛断たむこころ一途に野分中   鷲谷七菜子
>〔14〕へうたんも髭の男もわれのもの   岩永佐保
>〔13〕嫁がねば長き青春青蜜柑      大橋敦子
>〔12〕赤き茸礼讃しては蹴る女     八木三日女
>〔11〕紅さして尾花の下の思ひ草     深谷雄大
>>〔10〕天女より人女がよけれ吾亦紅     森澄雄
>>〔9〕誰かまた銀河に溺るる一悲鳴   河原枇杷男
>>〔8〕杜鵑草遠流は恋の咎として     谷中隆子
>>〔7〕求婚の返事来る日をヨット馳す   池田幸利
>>〔6〕愛情のレモンをしぼる砂糖水     瀧春一
>>〔5〕新婚のすべて未知数メロン切る   品川鈴子
>>〔4〕男欲し昼の蛍の掌に匂ふ      小坂順子
>>〔3〕梅漬けてあかき妻の手夜は愛す  能村登四郎
>>〔2〕凌霄は妻恋ふ真昼のシャンデリヤ 中村草田男
>>〔1〕ダリヤ活け婚家の家風侵しゆく  鍵和田秞子


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