ハイクノミカタ

魚は氷に上るや恋の扉開く 青柳飛【季語=魚氷に上る(春)】


魚は氷に上るや恋の扉開く

青柳飛
(「天為」)

 俳人の間で「歳時記カレンダー」(株式会社シーガル)が流行っている。季節ごとの行事や動植物が絵入りで掲載されており、旧暦の記載もある。そして二十四節気七十二候と月の満ち欠けの記載。俳句初心者に暦のことを説明するのに苦心していたのだが、このカレンダーをみればひと目で分かる。俳句や和歌の記載もある。俳句のネタに困ったときにも助かる。最近では、近所の居酒屋や介護施設にも掛かっている。さすが、季節とともに生きる日本人。時候の挨拶をするのにも役立つ。

 「(うを)()(のぼ)る」は、七十二候の一つで立春の第三候にあたる。春になり魚が氷の上に躍り出る頃のことらしい。魚が氷の上にのっかってしまったら困るだろうとか、そんな情景は見たことがないとか思ってはいけない。中国では遥かな昔より信じられてきたのだ。七十二候には、「菜花蝶と化す」(晩春)、「腐草蛍となる」(晩夏)、「雀蛤となる」(晩秋)など空想的な時候も多い。詩的とも言える。俳人は時に、不思議な季節の言葉と戯れながら俳句を詠む。ちなみに「魚氷に上る」は、現在の2月14日の頃に相当する。バレンタインデーである。そう考えると掲句も深みを増してくる。

 小学生の頃、池の畔にて一人で遊んでいたら、同級生の少年と遭遇した。会えば軽口を叩く仲だから、何となく池を一周した。池はところどころ凍っている。石を投げたりしていると、釣り人が魚籠を逆さにして釣った魚を池に戻していた。釣り人が去った後、一匹の魚が岸辺の枯草に引っかかって苦しそうに跳ねているのを見つけた。池に戻してあげようと魚を掴むのだがうまく掴めない。少年が、器用に掴んで池に投げた。ところが、魚は氷の上にのっかってしまい再び跳ねている。浅瀬の氷の厚いところを伝って助けようとすると、少年が「危ないからやめろ」と後ろから抱きついてくる。近くに転がっていた長い棒を使って、何とか魚を池の水に放すことができた。最後には、二人とも腹を抱えて笑い合った。その時の少年が初恋の人である。

 「魚氷に上る」という季語を見るたびに、まだ幼かった日の出来事を思い出してしまう。魚が氷の上にのぼることもあるのだ。そこから、恋というには淡い想いが芽生えることもある。バレンタインデーの意味を知る年頃になっても告白する勇気は持てなかった。

魚は氷に上るや恋の扉開く  青柳飛

 青柳飛氏は、二十代の頃より渡米し、現在ではサンフランシスコにて通訳の仕事をしている。国際交流のなかで俳句を詠むことになり有馬朗人主宰の「天為」に入会。米国俳句協会会長も務めた。俳句の英訳や英語俳句の和訳もされる。ご自身が俳句を詠む際は、日本語で作る場合もあるが、英語で作った後で和訳し17音に整える場合もあるとのこと。発想が英語だからであろうか。詩的な表現が魅力の作者である。

 そのアメリカ在住の作者が「魚は氷に上る」という日本人にもあまり馴染みのない時候を詠まれたのが面白い。歳時記で見つけ、詩を感じたのだろう。さらにはバレンタインデーであることの発見。ところが、アメリカと日本のバレンタインデーは、少し違う。

 日本では、女性が男性にチョコレートを渡し、愛を伝える日である。対してアメリカでは、恋人や夫婦・家族・友人とプレゼントを交換し愛と感謝を伝える日なのだ。恋人同士ならディナーを楽しむ。家族や友人たちとパーティーをすることもある。日本のクリスマスに近い感覚であろうか。

 掲句は、日本のバレンタインデーに従い、愛の告白をする場面を詠んでいると思われる。告白することで恋の扉が開くと捉えたのだ。確かに、告白するまでは憧れなのだが、想いを告げた瞬間に恋へと変わる。お互いに相手を強く意識し、恋が始まる。氷の下の魚が地上の空気に触れるように、狂おしい想いになる。恋の扉の向こうには、違う世界が広がっているのだ。人魚姫は、陸に上がり王子様に恋をする。人間の感情を知った姫は、人魚に戻れなかった。

 日本人の少女にとってバレンタインデーは、心ときめくイベントである。チョコレートを渡す時の不安と期待はいまも懐かしく、再度体験したいものだ。ただ、恋は始まってしまうと楽しいことばかりではない。痛みも伴う。片想いのままのほうが良かったと思うこともある。

 大学卒業間際に儚い恋をしたことがあった。相手は、故郷での就職が決まっていた。ずっと友達だったのだが、もう逢えないのかと思うと急に淋しくなった。卒業試験が終了した1月末から3月末の卒業式までの2カ月の間、入社の手続きや引っ越しの準備などで故郷と東京を行き来していた。送別会も何回かあった。立春を過ぎた頃、東京の部屋を引き払うため不要になった雑貨を届けにきてくれた。お礼も兼ねて夕飯に誘ったものの、飲みに行くほどのお金がない。急遽、手料理をご馳走することになった。近所のスーパーで公魚と日本酒を買った。電気コンロで揚げた公魚は、ふにゃりとしていた。男性の故郷では公魚釣りが盛んらしい。いわゆる穴釣りである。一度体験したいものだ。「遊びにおいで」と言ってくれた。終電近くになり、帰ろうとする彼を降り始めた雪を理由に引き止めた。公魚もまた「魚氷に上がる」になるのだろう。数日後にはチョコレートも渡したし、一ケ月後のホワイトデーも卒業式の前夜も一緒に過ごした。春という別れの季節が生み出した気まぐれな恋だった。春の雪が桜吹雪に変わる頃には終わってしまった。期間限定だからこそ盛り上がっただけなのだ。でも、溶かしたチョコレートを型に流し込む時もそれを渡す時も心がときめいた。

 恋する人も迷っている人もバレンタインデーには、魚が氷に上がる覚悟で、告白をし、恋の扉を開けてみてはどうだろうか。新しい世界が拓けるかもしれない。扉の先に待っている切ない体験も時間が経てば甘美な記憶になる。バレンタインデーに無縁な方は、公魚が出回り始めたので「魚氷に上がる」気分を味わってみてはいかが。甘くほろ苦い過去に酔うのもまた恋の楽しみ方である。

篠崎央子


篠崎央子さんの句集『火の貌』はこちら↓】


【執筆者プロフィール】
篠崎央子(しのざき・ひさこ)
1975年茨城県生まれ。2002年「未来図」入会。2005年朝日俳句新人賞奨励賞受賞。2006年未来図新人賞受賞。2007年「未来図」同人。2018年未来図賞受賞。2021年星野立子新人賞受賞。俳人協会会員。『火の貌』(ふらんす堂、2020年)により第44回俳人協会新人賞。「磁石」同人。


2020年10月からスタートした「ハイクノミカタ」。【シーズン1】は、月曜=日下野由季→篠崎央子(2021年7月〜)、火曜=鈴木牛後、水曜=月野ぽぽな、木曜=橋本直、金曜=阪西敦子、土曜=太田うさぎ、日曜=小津夜景さんという布陣で毎日、お届けしてきた記録がこちらです↓


【篠崎央子のバックナンバー】
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>>〔49〕天使魚の愛うらおもてそして裏   中原道夫
>>〔48〕Tシャツの干し方愛の終わらせ方  神野紗希
>>〔47〕扇子低く使ひぬ夫に女秘書     藤田直子
>>〔46〕中年の恋のだんだら日覆かな    星野石雀
>>〔45〕散るときのきてちる牡丹哀しまず 稲垣きくの
>>〔44〕春の水とは濡れてゐるみづのこと  長谷川櫂
>>〔43〕人妻ぞいそぎんちやくに指入れて   小澤實
>>〔42〕春ショール靡きやすくて恋ごこち   檜紀代
>>〔41〕サイネリア待つといふこときらきらす 鎌倉佐弓


>〔40〕さくら貝黙うつくしく恋しあふ   仙田洋子
>〔39〕椿咲くたびに逢いたくなっちゃだめ 池田澄子
>〔38〕沈丁や夜でなければ逢へぬひと  五所平之助
>〔37〕薄氷の筥の中なる逢瀬かな     大木孝子
>〔36〕東風吹かば吾をきちんと口説きみよ 如月真菜
>〔35〕永き日や相触れし手は触れしまま  日野草城
>〔34〕鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし    三橋鷹女
>〔33〕毒舌は健在バレンタインデー   古賀まり子
>〔32〕春の雪指の炎ゆるを誰に告げむ  河野多希女
>〔31〕あひみての後を逆さのかいつぶり  柿本多映
>〔30〕寒月下あにいもうとのやうに寝て 大木あまり
>〔29〕どこからが恋どこまでが冬の空   黛まどか
>〔28〕寒木が枝打ち鳴らす犬の恋     西東三鬼
>〔27〕ひめはじめ昔男に腰の物      加藤郁乎
>〔26〕女に捨てられたうす雪の夜の街燈  尾崎放哉
>〔25〕靴音を揃えて聖樹まで二人    なつはづき
>〔24〕火事かしらあそこも地獄なのかしら 櫂未知子
>〔23〕新宿発は逃避行めき冬薔薇    新海あぐり
>〔22〕海鼠噛むことも別れも面倒な    遠山陽子
>〔21〕松七十や釣瓶落しの離婚沙汰   文挾夫佐恵

>〔20〕松葉屋の女房の円髷や酉の市  久保田万太郎
>〔19〕こほろぎや女の髪の闇あたたか   竹岡一郎
>〔18〕雀蛤となるべきちぎりもぎりかな 河東碧梧桐
>〔17〕恋ともちがふ紅葉の岸をともにして 飯島晴子
>〔16〕月光に夜離れはじまる式部の実   保坂敏子
>〔15〕愛断たむこころ一途に野分中   鷲谷七菜子
>〔14〕へうたんも髭の男もわれのもの   岩永佐保
>〔13〕嫁がねば長き青春青蜜柑      大橋敦子
>〔12〕赤き茸礼讃しては蹴る女     八木三日女
>〔11〕紅さして尾花の下の思ひ草     深谷雄大
>>〔10〕天女より人女がよけれ吾亦紅     森澄雄
>>〔9〕誰かまた銀河に溺るる一悲鳴   河原枇杷男
>>〔8〕杜鵑草遠流は恋の咎として     谷中隆子
>>〔7〕求婚の返事来る日をヨット馳す   池田幸利
>>〔6〕愛情のレモンをしぼる砂糖水     瀧春一
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>>〔4〕男欲し昼の蛍の掌に匂ふ      小坂順子
>>〔3〕梅漬けてあかき妻の手夜は愛す  能村登四郎
>>〔2〕凌霄は妻恋ふ真昼のシャンデリヤ 中村草田男
>>〔1〕ダリヤ活け婚家の家風侵しゆく  鍵和田秞子


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