立春の零下二十度の吐息) 三品吏(みしな…
湖をこつんとのこし山眠る) 松王かをり(…
流氷が繋ぐ北方領土かな 大槻独(どく)舟…
蝦夷(えぞ)に生まれ金木犀の香を知らず)…
初燈(とう)明(みょう)背にあかつきの雪…
年迎ふ父に胆石できたまま) 島崎寛永(ひ…
秋冷やチーズに皮膚のやうなもの) 小野あ…
向いてゐる方へは飛べぬばつたかな) 抜井…
おそろしき一直線の彼方かな) 畠山弘現代…
片蔭の死角から攻め落としけり) 兒玉鈴音…
復讐の馬乗りの僕嗤っていた) 福田若之句…
年玉受く何も握れぬ手でありしが) 髙柳克…