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【夏の季語】夏の果/夏果つ 夏終る 夏行く 行夏 夏逝く 夏惜しむ

【夏の季語(晩夏=7月)】夏の果/夏果つ 夏終る 夏行く 夏逝く 夏惜しむ

【解説】夏の終わりのこと。俳句ではもともと「季節を惜しむ」のは春か秋のどちらかでしたが、お盆や戦争の記憶とも結びついた「8月の暑さ」とは違った、「7月の暑さ」が終わっていくことを「夏惜しむ」というようになりました。「秋近し」や「夜の秋」というと、晩夏の涼しさのほうにウエイトがおかれますが、「夏の果」というと、「まだ暑さはつづくけれど…」という感じがありますね。

【関連季語】秋近し、夜の秋、晩夏など。

【夏惜しむ】
夏惜しむフランスパンも男根も     高野ムツオ
夏惜しむ岬の先に火を焚きて      遠藤若狭男
一湾の弓なりに夏惜しみけり      片山由美子
夏惜しむサーフボードの疵なでて    黛 まどか

【夏の果・夏果】
めんどりの尻蹴つてああ夏の果     藤田湘子
川水の濁りに添うて夏の果       桂信子
夏果ての男は乳首のみ老いず      能村登四郎
転住の町の地図買ふ夏の果       村上喜代子
山奥に真鯉のあをき夏の果       長谷川櫂

【夏行く・行夏】
ゆく夏の幾山越えて夕日去る      飯田龍太

【夏終る】
夏終る見知らぬノッポ町歩き      阿部完市

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