【春の季語=晩春(4月)】朝桜

朝の「」のこと。

日中の華やぎや、闇夜に映える美しさとは違って、静けさのなかに確かな春の一日のはじまりが感じられる。


【朝桜(上五)】
朝桜みどり児に言ふさやうなら 中村草田男
朝桜杜氏は子待つ山へ去る 飴山實
朝ざくら家族の数の卵割り 片山由美子

【朝桜(中七)】

【朝桜(下五)】
癒ゆる身はかりそめのもの朝桜 齋藤玄
うすうすと天に毒あり朝桜 宗田安正
トロットの馬上の少女朝桜 久保田哲子
稿書くと文字逃げゆく朝桜 寺田京子
人にまだ触れざる風や朝桜 星野高士
めりめりとラヂオは鳴つて朝桜 冬野虹
ワイシヤツに手を通しつつ朝桜 岸本尚毅


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