秋草のはかなかるべき名を知らず) 相生垣…
告げざる愛地にこぼしつつ泉汲む 恩田侑布…
利根川のふるきみなとの蓮かな 水原秋櫻子…
愛されずして沖遠く泳ぐなり 藤田湘子(『…
香水の一滴づつにかくも減る) 山口波津女…
美校生として征く額の花咲きぬ) 加倉井秋…
梅雨の日の烈しくさせば罌粟は燃ゆ 篠田悌…
新綠を描くみどりをまぜてゐる) 加倉井秋…
葉桜の夜へ手を出すための窓) 加倉井秋を…
桐咲ける景色にいつも沼を感ず) 加倉井秋…
田螺容れるほどに洗面器が古りし) 加倉井…
【第41回】赤城山と水原秋櫻子 広渡敬雄…