白菜かかへみやこのなかは曇なり) 飯島晴…
電車いままつしぐらなり桐の花) 星野立子…
皮むけばバナナしりりと音すなり) 犬星星…
灯を消せば部屋無辺なり夜の雪 小川軽舟(…
あまり寒く笑へば妻もわらふなり) 石川桂…
二十世紀なり列国に御慶申す也 尾崎紅葉(…
なぐさめてくるゝあたゝかなりし冬 (稲畑…
後の月瑞穂の国の夜なりけり) 村上鬼城 …
蜩や久しぶりなる井の頭 柏崎夢香(かしわ…
雨月なり後部座席に人眠らせ) 榮 猿丸 …
呪ふ人は好きな人なり紅芙蓉 長谷川かな女…
告げざる愛地にこぼしつつ泉汲む 恩田侑布…