鹿や鶏の切紙下げる思案かな) 飯島晴子 …
啄木鳥や落葉をいそぐ牧の木々 水原秋櫻子…
べつたら市糀のつきし釣貰ふ 小林勇二 …
天高し鞄に辞書のかたくある 越智友亮 …
新蕎麦のそば湯を棒のごとく注ぎ 鷹羽狩行…
ロボットの手を拭いてやる秋灯下 杉山久子…
秋草の揺れの移れる体かな 涼野海音 十月…
赤福のたひらなへらもあたたかし 杉山久子…
また次の薪を火が抱き星月夜 吉田哲二 …
泥棒の恋や月より吊る洋燈ラムプ 大屋…
なにはともあれの末枯眺めをり) 飯島晴子…
月かげにみな美しき庭のもの 稲畑汀子 …