嚙み合はぬ鞄のチャック鳥曇 山田牧 前々…
しかと押し朱肉あかあか冬日和 中村ひろ子…
キャベツに刃花嫁衣裳は一度きり 山田径子…
まだ固き教科書めくる桜かな) 黒澤麻生子…
砂浜の無数の笑窪鳥交る) 鍵和田秞子『光…
血を分けし者の寝息と梟と) 遠藤由樹子 …
つぶやきの身に還りくる夜寒かな) 須賀一…
扇子低く使ひぬ夫に女秘書 藤田直子(『極…
新宿発は逃避行めき冬薔薇 新海あぐり(『…
ビーフストロガノフと言へた爽やかに 守屋…
ダリヤ活け婚家の家風侵しゆく 鍵和田秞…
青嵐神木もまた育ちゆく 遠藤由樹子 神木…