蜃気楼博士ばかりが現れし 阪西敦子 新幹…
蜷のみち淡くなりてより来し我ぞ) 飯島晴…
風邪を引くいのちありしと思ふかな 後藤夜…
鍋物に火のまはり来し時雨かな 鈴木真砂女…
花八つ手鍵かけしより夜の家 友岡子郷 …
べつたら市糀のつきし釣貰ふ 小林勇二 …
さわやかにおのが濁りをぬけし鯉 皆吉爽雨…
きつかけはハンカチ借りしだけのこと 須佐…
いつまでも死なぬ金魚と思ひしが) 西村麒…
春の雁うすうす果てし旅の恋 小林康治(『…
鳴きし亀誰も聞いてはをらざりし) 後藤比…
恋さめた猫よ物書くまで墨すり溜めし 河東…