春風にこぼれて赤し歯磨粉) 正岡子規 春…
家濡れて重たくなりぬ花辛夷) 森賀まり …
鳥の巣に鳥が入つてゆくところ) 波多野爽…
北寄貝桶ゆすぶつて見せにけり) 平川靖子…
薄氷の吹かれて端の重なれる 深見けん二 …
笹鳴きに覚めて朝とも日暮れとも) 中村苑…
さしあたり坐つてゐるか鵆(ちどり)見て)…
息触れて初夢ふたつ響きあふ 正木ゆう子(…
集いて別れのヨオーッと一本締め 雪か 池…
服脱ぎてサンタクロースになるところ 堀切…
本の山くづれて遠き海に鮫 小澤實(『砧』…
枯蓮のうごく時きてみなうごく 西東三鬼 …