うつとりと人見る奈良の鹿子哉 正岡子規 …
ハフハフと泳ぎだす蛭ぼく音痴) 池禎章 …
夏蝶の口くくくくと蜜に震ふ) 堀本裕樹 …
いつまでも死なぬ金魚と思ひしが) 西村麒…
だんだんと暮色の味となるビール 松本てふ…
皮むけばバナナしりりと音すなり) 犬星星…
春の日やあの世この世と馬車を駆り 中村苑…
人とゆく野にうぐひすの貌強き) 飯島晴子…
眼前にある花の句とその花と) 田中裕明『…
妻が言へり杏咲き満ち恋したしと 草間時彦…
やつと大きい茶籠といつしよに眠らされ) …
実るなと掴む乳房や春嵐 渡邉美愛(「17…