散るときのきてちる牡丹哀しまず 稲垣きく…
プラタナス夜もみどりなる夏は来ぬ 石田波…
捨て櫂や暑気たゞならぬ皐月空 飯田蛇笏)…
白牡丹四五日そして雨どつと 高田風人子(…
体内の水傾けてガラス切る 須藤徹(『須藤…
きりんの子かゞやく草を喰む五月) 杉山久…
田螺容れるほどに洗面器が古りし) 加倉井…
春の水とは濡れてゐるみづのこと 長谷川櫂…
いけにえにフリルがあって恥ずかしい 暮田…
詠みし句のそれぞれ蝶と化(け)しにけり …