【秋の季語=晩秋(10月)】団栗

クヌギの実を代表とし、ナラ、カシワなどを含んだブナ科の実を指します。実は褐色で丸く、「どんぐりころころ」という童謡のほか、団栗独楽などの玩具として子どもに広く親しまれています。


【団栗(上五)】
団栗を掃きこぼし行く箒かな 高浜虚子
どんぐりを手に忘却の詩はかなし 小泉宇涯
団栗の葎に落ちてくゞる音 鈴木花蓑
団栗や敗れし神を祀りけり 鎌田俊
団栗の打つて我が家の屋根古ぶ 右白暮石
どんぐりの青い実空に自由律 鳥巣徳子
団栗にまだ傷のなき光かな 神野紗季
団栗の二つであふれ吾子の手は 今瀬剛一

【団栗(中七)】
霊園の団栗はみな潰れゐる 田川飛旅子
この道は団栗道といふべしや 宇田零雨
黝づめる団栗そらをさびしくす 福永耕二
死も生も知らずどんぐりみなまろし 長谷川知孝
結構違ふよ団栗の背くらべ 小林貴子

【団栗(下五)】


horikiri