【春の季語=晩春(4月)】浜下り

沖縄季語のひとつ。「はまうり」と読む。

旧暦3月3日の大潮のころに、与那国島から奄美大島までの「南島」で古来行われてきた「男子禁制」の行事。娘たちの無病息災を願う、女性の節句とされており、一家で揃って浜辺に出て、敷物を敷いて、ご馳走を食べつつ、歌い、踊る。

「アカマタ」という大蛇が見目麗しい青年に化けて、村の美しい娘をかどわかしたという教訓的な昔話に由来するともいわれる。アカマタの赤子を身ごもったことを母娘がユタに相談したところ、旧暦3月3日に海水に身を浸して「穢れ」を落とすことで、身ごもったアカマタの赤子を海に流した(流産した)という話が残る。

遠浅が広がる沖縄市の泡瀬干潟などでは、毎年たくさんの家族連れが「潮干狩」を楽しむ姿も見られる。


【浜下り(上五)】
浜下りや自我の分だけ砂きしむ となきはるみ

【浜下り(中七)】

【浜下り(下五)】


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