その年に初めて咲いた「桜」の花のこと。「初桜」とも。
【初花(上五)】初花の夕べは已にほの白く 高野素十初花の水にうつろふほどもなき 日野草城初花の薄べにさして咲きにけり 村上鬼城初花や竹の奥より朝日かげ 川端茅舎初花となりて力のゆるみたる 成瀬正俊初花やななめに降つて山の雨 草間時彦初花や一日青空きはまりて 中村汀女
【初花(中七)】燭をもて初花仰ぐ酔ひにけり 永井東門居道果てて初花のあり川のあり 藤本夕衣
【初花(下五)】癒えてゆくことも刻々初花に 水田むつみ
妻となる人五月の波に近づきぬ …
白馬の白き睫毛や霧深し 小澤青…
泉に手浸し言葉の湧くを待つ 大…
仕切り繰返す間も掃き五月場所 …
パン屋の娘頬に粉つけ街薄暑 高…
主われを愛すと歌ふ新樹かな 利…