【春の季語】ヒヤシンス

【春の季語=晩春(4月)】ヒヤシンス

江戸時代末期にヨーロッパから渡来した球根性多年草であり、「チューリップ」に勝るとも劣らない春先の球根植物である。香りもいい。語源については、Wikipediaの以下の文章を参照。

ヒヤシンスの名は、ギリシャ神話の美青年ヒュアキントスに由来する。同性愛者であった彼は、愛する医学の神アポロン(彼は両性愛者であった)と一緒に円盤投げに興じていた(古代ギリシャでは同性愛は普通に行われ、むしろ美徳とされていた)。しかし、その楽しそうな様子を見ていた西風の神ゼピュロス(彼もヒュアキントスを愛していた)は、やきもちを焼いて、意地悪な風を起こした。その風によってアポロンが投げた円盤の軌道が変わり、ヒュアキントスの額を直撃してしまった。アポロンは医学の神の力をもって懸命に治療するが、その甲斐なくヒュアキントスは大量の血を流して死んでしまった。ヒヤシンスはこの時に流れた大量の血から生まれたとされる。このエピソードから、花言葉は「悲しみを超えた愛」となっている。

Wikipedia「ヒヤシンス」


【ヒヤシンス(上五)】
ヒヤシンスしあわせがどうしても要る 福田若之

【ヒヤシンス(中七)】
ジャム瓶の厚きにヒヤシンスを挿しぬ 野崎海芋

【ヒヤシンス(下五)】
銀河系のとある酒場のヒヤシンス 橋 閒石
水にじむごとく夜が来てヒヤシンス 岡本眸
リスボンの靴屋の窓かヒヤシンス 坪内稔典
午後という揺らぎの中のヒヤシンス 櫂未知子
遺失物係の窓のヒヤシンス 夏井いつき
教室の入口ふたつヒヤシンス 津川絵理子
止まり木に鳥の一日ヒヤシンス 津川絵理子
窓眩し土を知らざるヒヤシンス 神野紗希


【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】



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