わが家のクスクス

Couscous à la maison


Facebookに、「思い出」という機能がありますね。
過去の同じ日付の投稿が、その日限りで見られるというもの。ほんの1年や2年前のことも、意外と忘れていたりするものです。

その「思い出」機能が教えてくれたところによると、数年前のゴールデンウィーク、学年の違う大学生たちがわが家に集まって、みんなでクスクスを食べたのでした。

クスクスは人が集まるときのわが家の定番メニュー。ちょくちょく作ってはいるのですが、この時は息子、娘、娘の友人、私の友人の娘、新一年生から留年の5年生まで、食べて喋って賑やかだったのを思い出しました。

クスクスは、小麦粉で作られた細かい粒のパスタの一種。それにスープで煮込んだ肉や野菜をかけて食べる料理も、「クスクス」と呼ばれます。
モロッコ・チュニジア・アルジェリアといった北アフリカの国々の郷土料理なのですが、フランスは「マグレブ」と呼ばれるこの地域との関わりが古く、クスクスはフランスでもとてもポピュラーなたべものとなっています。

わが家のクスクスは、鶏の骨つきもも肉とたっぷりの香辛料でスープを煮込み、大きく切ったズッキーニ、セロリ、蕪や人参をごろごろ入れます。羊か牛赤身のひき肉で作った肉団子と、スパイシーなソーセージも欠かせません。

きのうは立夏。
若葉の眩しい季節ですね。
若い人たちの学びや交流の場が、はやく元通りになることを願うばかりです。

しまうまがシヤツ着て跳ねて夏来る  富安風生

季語【夏来る】【立夏】【若葉】

*本記事は野崎海芋さんのInstagram( @kaiunozaki )より、ご本人の許可を得て、転載させていただいております。本家インスタもぜひご覧ください。


【執筆者プロフィール】
野崎 海芋(のざき・かいう)
フランス家庭料理教室を主宰。 「澤」俳句会同人、小澤實に師事。平成20年澤新人賞受賞。平成29年第一句集『浮上』上梓。俳人協会会員。



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