サラダ・パリジェンヌ

Salade parisienne


二月になりました。ことしは今日が旧暦の正月、寒明けもまもなくですね。
日差しが日に日に明るくなって、春の近づいているのが感じられるこの頃です。

マッシュルームを生で食べるのが大好きです。
マッシュルームはフランス語でchampignon de Paris(シャンピニオン・ド・パリ)、「パリのきのこ」と呼ばれます。かつてパリ建設に使われた石材は地下の岩盤から切り出されており、その跡の地下空間を利用して、このきのこが栽培されていたためと言われています。
近世、地下鉄建設が始まってマッシュルーム栽培は近郊に移っていったけれど、きのこの名前に歴史の名残を留めているのですね。

昔からの屋内栽培種なので、季節を問わず手に入るものですが、生で食べるならなるべく笠の締まった、真っ白で新鮮なもの。やはり冬から春先へのこの時期がおいしいと感じます。
スライスしてレモンをきゅっと絞りかけ、オリーブオイルと塩をつけながらおつまみに。
あるいは、角切りももハム・固茹で卵・ゆでたじゃがいもの賽の目切りと合わせれば「サラダ・パリジェンヌ」になります。カフェのメニューなどでもおなじみの、文字通りパリの定番サラダです。

春を待つおなじこころに鳥けもの  桂信子

季語【春待つ】【待春】【日脚伸ぶ】【二月】【寒明】

*本記事は野崎海芋さんのInstagram( @kaiunozaki )より、ご本人の許可を得て、転載させていただいております。本家インスタもぜひご覧ください。


【執筆者プロフィール】
野崎 海芋(のざき・かいう)
フランス家庭料理教室を主宰。 「澤」俳句会同人、小澤實に師事。平成20年澤新人賞受賞。平成29年第一句集『浮上』上梓。俳人協会会員。



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