血を分けし者の寝息と梟と) 遠藤由樹子 …
福笹につけてもらひし何やかや 高濱年尾 …
なぐさめてくるゝあたゝかなりし冬 (稲畑…
つはの葉につもりし雪の裂けてあり 加賀谷…
とつぷりと後ろ暮れゐし焚火かな 松本たか…
境内のぬかるみ神の発ちしあと) 八染藍子…
鳥屋の窓四方に展けし花すゝき 丹治蕪人(…
手に負へぬ萩の乱れとなりしかな 安住敦(…
茄子もぐ手また夕闇に現れし 吉岡禅寺洞(…
季(とき)すぎし西瓜を音もなく食へり 能…
膝枕ちと汗ばみし残暑かな) 桂米朝 桂…
もち古りし夫婦の箸や冷奴) 久保田万太郎…