観音か聖母か岬の南風に立ち 橋本榮治 …
白夜の忠犬百骸挙げて石に近み) 中村草田…
ふところに四万六千日の風 深見けん二 …
キャベツに刃花嫁衣裳は一度きり 山田径子…
黒揚羽に当てられてゐる軀(からだ)かな)…
水中に風を起せる泉かな) 小林貴子 今…
紫陽花のパリーに咲けば巴里の色 星野椿 …
さよならと梅雨の車窓に指で書く 長谷川素…
田を植ゑるしづかな音へ出でにけり) 中村…
夏帯にほのかな浮気心かな 吉屋信子(『文…
巡査つと来てラムネ瓶さかしまに 高濱虚子…
夏蝶の口くくくくと蜜に震ふ) 堀本裕樹 …