昼顔もパンタグラフも閉ぢにけり 伊藤麻美…
金魚屋が路地を素通りしてゆきぬ) 菖蒲あ…
いつまでも死なぬ金魚と思ひしが) 西村麒…
逢はぬ間に逢へなくなりぬ桐の花) 中西夕…
梅咲きぬ温泉(いでゆ)は爪の伸び易き 梶…
赤い椿白い椿と落ちにけり) 河東碧梧桐 …
家濡れて重たくなりぬ花辛夷) 森賀まり …
北寄貝桶ゆすぶつて見せにけり) 平川靖子…
ものゝふの掟はしらず蜆汁 秦夕美(『雲 …
蝦夷(えぞ)に生まれ金木犀の香を知らず)…
あたゝかき十一月もすみにけり 中村草田男…
伊太利の毛布と聞けば寝つかれず) 星野高…