逢えぬなら思いぬ草紅葉にしゃがみ) 池田…
向いてゐる方へは飛べぬばつたかな) 抜井…
美校生として征く額の花咲きぬ) 加倉井秋…
扇子低く使ひぬ夫に女秘書 藤田直子(『極…
麦からを焼く火にひたと夜は来ぬ 長谷川素…
星老いる日の大蛤を生みぬ) 三枝桂子) …
かゝる世もありと暮しぬ春炬燵 松尾いはほ…
沈丁や夜でなければ逢へぬひと 五所平之助…
左義長のまた一ところ始まりぬ 三木)まさ…
水底に届かぬ雪の白さかな) 蜂谷(はちや…
初夢にドームがありぬあとは忘れ 加倉井秋…
みな聖樹に吊られてをりぬ羽持てど) 堀田…