妻のみ恋し紅き蟹などを歎かめや) 中村草…
妹の手をとり水の香の方へ) 小山玄紀「ね…
田を植ゑるしづかな音へ出でにけり) 中村…
家毀し瀧曼荼羅を下げておく) 飯島晴子 …
虎の尾を一本持つて恋人来 小林貴子(『北…
卯月野にうすき枕を並べけり) 飯島晴子 …
大揺れのもののおもてを蟻の道 千葉皓史(…
気を強く春の円座に坐つてゐる) 飯島晴子…
春の日やあの世この世と馬車を駆り 中村苑…
黄沙いまかの楼蘭を発つらむか 藤田湘子(…
行く雁を見てゐる肩に手を置かれ 市村不先…
不健全図書を世に出しあたたかし) 松本て…