霜夜子は泣く父母よりはるかなものを呼び …
冬ざれや父の時計を巻き戻し) 井越芳子 …
蝦夷(えぞ)に生まれ金木犀の香を知らず)…
龍の玉深く蔵すといふことを 高浜虚子 い…
ぽつぺんを吹くたび変はる海の色 藺草慶子…
古きよき俳句を読めり寝正月 田中裕明 普…
初島へ大つごもりの水脈を引く) 星野椿 …
スバルしずかに梢を渡りつつありと、はろば…
セーターを脱いだかたちがすでに負け) 岡…
胸の炎(ほ)のボレロは雪をもて消さむ) …
鱶のあらい皿を洗えば皿は海) 谷さやん『…
受賞者の一人マスクを外さざる) 鶴岡加苗…