【冬の季語】待春

【冬の季語=晩冬(1月)】待春

【解説】

日脚が伸びてきて、梅の花もほころびはじめると、まだまだ寒い時期でも、春を待つ心地がじんわりと湧いてきます。それが「待春(たいしゅん)」。

もともとは「春を待つ」という言葉で表されていたものが、漢語的にも表現されるようになった。


【待春(上五)】

待春や会ひに行きたき道の神 村越化石
待春のふくれ崩るゝ波頭 星野椿
待春のぬけ道どれも潮の香 上田日差子
待春のほとりに木々をあつめたる 田中裕明
待春やうどんに絡む卵の黄 杉山久子

【待春(中七)】

祝はるゝこと待春の心あり 高木晴子
バロックといふ待春の死語ひとつ 皆吉司
濡れてより待春の黒土となる 岩岡中正

【待春(下五)】


horikiri