【訃報】茨木和生さん逝去

俳人で「運河」名誉主宰の茨木和生(いばらき・かずお)さんが2025年12月23日、逝去した。享年86歳。

茨木さんは1939年奈良県郡山町(現・大和郡山市)生まれ。高校生のころから投句をはじめ、1956年に右城暮石が創刊した「運河」に入会。「運河」編集長を経て、1991年に 「運河」主宰を右城暮石から継承。2022年より主宰を谷口智行に譲り、自身は名誉主宰となっていた。16冊の句集のほか、さまざまな評論集や編著を著し、長らく関西の俳句の重鎮として活躍した。

俳人協会賞(句集『往馬』)、 俳人協会評論賞(『西の季語物語』)、 俳句四季大賞(句集『薬喰』)、 詩歌文学館賞(句集『真鳥』)、 小野市詩歌文学賞(句集『熊樫』) など 受賞多数。東吉野村の「俳句の里」作り(前登志夫歌碑などを含む)、高知県本山町の「俳句の道」作りに尽力。「那智の滝源流水資源保全事業基金」や「吉野の桜を守る基金」など、地元の文化環境整備にも尽力した。

心より、ご冥福をお祈りいたします。

〈力の限り、俳に生きる。〉妻の死、コロナ禍… 苦難を超えて、いよいよ深まる句境。日本の美しい山を、水を、生き物を守りたい。長年、熊野や吉野を歩き続けた著者が、誠の心で自然と一体化した渾身の第16句集!

◆帯より
  青空は動かざるもの山桜

東吉野村の天好園に樹齢300年になろうという山桜がある。植えた人の名にちなみ五郎宗(ごろそう)桜と名付けられたこの樹に出合い続けて半世紀。詠むほどに心惹かれる今生の桜である。――茨木和生




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